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講座・催し物

魚の会(うおのかい) 平成29年度第4回講演会

「三崎魚市場の魚―33年間の記録」

山田 和彦 氏(観音崎自然博物館学芸部長)

2018年2月11日(日曜)

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2018-01-08

事前申し込み不要・当日受付

2018-02-11

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演題:「三崎魚市場の魚―33年間の記録」

だれしも水辺があると何かいるだろうか、と覗き込むのではないでしょうか。そこに魚が泳いでいると、わくわくします。そして、あの魚は何だろう?ここにはどれぐらいの魚がいるんだろうか、と好奇心がわいてきます。私は町中育ちなので、とくに水辺と生き物には憧れを感じていました。小学校の頃、両親に泊りがけで連れて行ってもらい、生まれて初めて海中を覗いた場所は、横須賀市の荒崎でした。その光景は今でもおぼろげながらに覚えています。その後も旅行先や水族館で魚を見るのが楽しみでした。それが長じて大学は水産系を選択しました。ある日「市場に行けばアカマンボウとか見られるよ」と先輩に言われ、気仙沼魚市場を見に行ったのが、その後40年近く続く市場での魚観察のきっかけとなりました。

大学を卒業してはじめての就職先は油壷にある水族館で、自分が子供のころ何度も来た場所に住むことになったことに、何やら運命めいたものを感じました。これから住む場所にはどんな魚がいるのか。三陸では魚市場の調査で潜って観察するより多くの魚を見ることができたので、まずは魚市場で魚を見れば、この辺りの魚がわかるだろうと家の近所にある三崎魚市場に行ってみました。見慣れた魚に混ざって見たことのない魚がありました。ネズミギスという魚です。珍しい魚もあるけど、ふつうの魚は何だろう。それから出勤前に市場に寄るのが日課となりました。

市場での調査と同時に、これまで先人方が書かれた資料集めも大切です。集め始めて知ったのは、相模湾全体の魚をまとめたものがないことです。岩手県や新潟県、静岡県などではまとまった魚類目録があったので、これは意外なことでした。なければ作ろうと思い、神奈川自然誌資料に「三崎魚市場に水揚げされた魚類」として書きはじめましたが、この考えは浅はかで、その野望はいまだに成し遂げられていません。勤務先は何回か変わりましたが、市場通いは今も続いています。いつもの顔ぶれがあるかと思えば、新顔の魚もいます。相模湾初記録となる魚にも何度も出会えたのは幸せでした。そんな三崎の魚たちを時間の許す限り紹介したいと思います。


 

講師:山田 和彦(やまだ かずひこ)氏(観音崎自然博物館学芸部長)

1959年生まれ(東京都小金井市)。物心付いたころから貝を集め始める。北里大学水産学部卒業。卒論は甲殻類の種苗生産と付着生物であったが、三陸の豊かな自然のおかげで、サンショウウオや鳥、魚市場での漁獲物調査にうつつを抜かす。1984-1994年京急油壺マリンパーク。飼育から営業まで担当したが、アシカ担当が最も長く海獣にのめりこむきっかけに。1994-2006年おさかな普及センター資料館学芸員。世界一の魚市場と言われる築地市場にあったので、世界中の水産物を目の当たりにする。また、それまで学術的あるいは鑑賞の対象であった海の生物を食の観点から見直すことに。2015年より現職。天然記念物ミヤコタナゴの保全活動に四苦八苦する今日この頃。
 

講演会情報

場所 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階西側講義室
開催時間 14時~15時
料金 無料
主催

魚の会(うおのかい)

「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

問合せ先 神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:瀬能 宏
電話:0465-21-1515 e-mail:senou@nh.kanagawa-museum.jp