神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 d02[ 大陸棚の時代 ]
 
大陸棚(たいりくだな)の時代 (Age of Continental Shelf)
 神奈川の北部に連なる小仏(こぼとけ)山地は、おもに砂岩(さがん)や頁岩(けつがん)などの堆積岩(たいせきがん)(小仏層群(こぼとけそうぐん)、相模湖層群(さがみこそうぐん))からできている。小仏山地をつくる地層は、神奈川県内で最も古い岩石(1億〜3000万年前)である。このころ、日本列島や日本海はまだなかった。ユーラシア大陸の東にひろがる海底は、大陸棚(たいりくだな)から大陸斜面(たいりくしゃめん)、そして海洋プレートが沈み込む深い海溝(かいこう)へと続いていた。小仏層群や相模湖層群は、陸地から流されてきた砂や泥、礫が大陸棚や大陸斜面に堆積し、さらに海底地すべりで海溝に堆積したもの(タービダイト)である。チャートや石灰岩(せっかいがん)、塩基性火山岩(えんきせいかざんがん)など岩石も含まれるが、これらは海溝で沈み込む海洋プレートからはぎ取られた大洋底(たいようてい)や海山(かいざん)の破片である。小仏層群や相模湖層群と同じような地層は、関東から中部、四国、九州まで帯状に連続的に分布している。これらの地層は、まとめて四万十帯(しまんとたい)とよばれ、日本列島の基盤を構成している。
図表 大陸棚の時代
   

 関連項目:

c04 小仏層群
c05 相模湖層群
a21 堆積岩

 

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