神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 d08[ ロームの時代 ]
 
ロームの時代 (Age of Loam)
 大磯(おおいそ)丘陵から相模原(さがみはら)台地、多摩(たま)丘陵、下末吉(しもすえよし)台地、さらには三浦半島の丘陵地などの大地の表面をおおう赤茶色のいわゆる赤土が、関東ローム層である。関東ローム層は、箱根火山や富士山などの火山活動によって噴出した火山灰が、堆積、風化してできたものである。形成された年代の古い順に多摩(たま)ローム層、下末吉(しもすえよし)ローム層、武蔵野(むさしの)ローム層、立川(たちかわ)ローム層に区分されている。多摩ローム層の下部から中部層は、おもに50万〜20万年前の箱根火山の活動によって噴出した火山灰からできている。多摩ローム層の上部から下末吉ローム層までは、20万〜10万年前の箱根火山の活動によって噴出した火山灰でできている。富士山は10万年前から活動をはじめた火山であるが、その活動によって噴出された火山灰が、おもに武蔵野ローム層や立川ローム層を形成した。関東ローム層の中には、箱根火山や富士山だけでなく、中部地方の木曽御岳(きそおんたけ)、八ヶ岳(やつがたけ)などの火山や、遠く九州の阿蘇(あそ)火山や姶良(あいら)火山から飛んできた火山灰も含まれている。
図表 富士山・箱根火山から噴出した火山灰の等厚線図(町田洋,1977から)
   

 関連項目:

c25 箱根火山岩類
a09 火山岩
c26 関東ローム層

 

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