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生命の星・地球博物館
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ボタン「リモートセンシング」とは

「リモートセンシング」という言葉を知っていますか?
触る、切るなど直接的な方法ではなく、間接的にものを調べる方法のことです。日本語では、「遠隔探査」と訳されます。
神奈川県立生命の星・地球博物館では、地球を調べる方法の一つとして、「宇宙からのリモートセンシング」を使っています。このページでは、この「リモートセンシング」とは何か、解説します。


ボタン 宇宙からのリモートセンシング とは

 地球を調べるためのセンサを、地球を周回する衛星軌道にある人工衛星に載せて観測する方法です。このような人工衛星を「地球観測衛星」といいます。 当館では、ランドサット(Landsat)とテラ(Terra)を使っています。
地球観測衛星のセンサは、地球を帯状に画像として観測しています。画像といえば、私たちが使うデジタルカメラを思い浮かべるかもしれませんが、仕組みがかなり違います。

ボタン センサの仕組み
 センサは、地球を「色」としてデジタルに観測します。簡単に言えば、デジタルカメラのようなものですが、解像度が非常に高く(2,000万画素以上に相当)、 地表での解像度(どこまで細かく見えるか)は15から70mあります。ランドサットには解像度70mのMSSと30mのTMの2種類、テラには15mのアスター(ASTER)というセンサが搭載されています。 また、青、緑、赤などといった色ごとに、宇宙の暗さを基準として、色の強さを測っています。そのため、私たちが普通にイメージするカラー画像にするためには、次の作業が必要です。
※ 画像データの問合せ先
 ランドサット:(財) リモート・センシング技術センター(RESTEC) http://www.restec.or.jp/
 テラ/アスター:(財)資源・環境観測解析センター(ERSDAC) http://www.ersdac.or.jp/

ボタン 画像処理
・カラー合成
カラー合成  青、緑、赤などといった色ごとに、その強さを測るということは、測られた結果はそれぞれの色の濃淡、つまり白黒になります。カラーにするためには、 色の三原色(赤Red、緑Green、青Blue)に観測したそれぞれの色の強さを割り当てる必要があります。 ランドサットの場合7色測定しているので、統計的には210通りの組み合わせが可能です。しかし実際には、3通りぐらいです。

・幾何補正
 丸い地球を平らに観測しているので、得られた画像データには歪みがあります。 この歪みを取り除き、地図で使われている緯度経度に合わせるのが、幾何補正です。衛星画像に写っている特徴的な地形などに対して、緯度経度の値を与えて、計算によって歪みを取り除きます。

・土地被覆分離
 衛星画像を私たちの目で見れば、大まかに地面の上に何があるかを見分けることができます。色や形から判断しているわけですが、この作業をコンピュータに行なわせます。 私たちの目では同じような色に見えるものでも、単色での強さを見ると、特徴が異なっています。その差を丹念に調べることで、区別することができます。 (1) あらかじめ調べてある、典型的な場所の色の強さを覚えこませる。
(2) 画像データ全体に対して、画素ひとつづつ、このデータと照らし合わせ、似ている画素を探し出す。
 これを数多く繰り返せば、より細かい分類をすることができます。
 このようにして作られた分類図は、「土地利用図」のように利用目的までは分かりません。地面を何が覆っているかということが分かるので、「土地被覆分類図」と呼ばれます。
◆研究報告27 「リモートセンシングによる土地被覆分類―ランドサット /TM による神奈川県の場合―」
◆研究報告28 「リモートセンシングによる土地被覆分類―2万5千分の1箱根における検証―」

ボタン 地形表現としての立体化
・斜め上から見下ろす
 地形を紙に記録した「地形図」には、地形が等高線として表されています。この等高線を読むことができれば、地形の立体感がつかめるわけですが、難しく感じられることが多いようです。
 そこで簡単に立体感を得る方法として、上空から斜めに見下ろす「鳥瞰図」という技法を使います。一般には絵画的に地表の様子を描いたり、標高によって色を塗り分けることが多いのですが、 ここでは地球観測衛星の画像を使いました。そのため、地表の様子がリアルに表現されています。
◆自然科学のとびらVol.9,No.2 「宙瞰図 鳥を越えた視点」
◆神奈川県立生命の星・地球博物館友の会 友の会通信 会報54号 Vol.10,No.3 「何でも好奇心『宙瞰図って何ですか?』」(博物館友の会が運営するホームページが、別ウインドウで開きます)

・余色立体
カラー合成  立体的に地形を見る方法として、ステレオ写真があります。これは、右目用と左目用に間隔をあけて撮影した2枚の写真を使って立体視するものです。この方法は、多少の訓練が必要です。
 そこで、赤青のフィルターのついた色メガネを使う「余色立体図」にしました。
 Terra/ASTER VNIRは、衛星軌道を移動しながら同じ場所を2回観測します。直下に見た画像(直下視)と、約250km移動してから見た画像(後方斜視)です。 後方斜視に赤色、直下視に青色にして1枚の画像にします。これを赤青の色メガネで見れば、地形が飛び出して見えてきます。



◆「桂川・相模川流域マップ」が完成しました! 先着100名に配布します。詳しくはこちらへ

◆2007年2月25日(日)まで開催いたしました企画展「パノラマにっぽん 〜地球観測衛星の魅力〜」はこちらへ
 ・関連図書「『宇宙から見た日本』地球観測衛星の魅力」の紹介はこちらへ (※正誤表(第1版第1刷・第2刷))
◆好評発売中の「宙瞰図」はこちらへ
◆2001年度特別展「地球を見る 〜宇宙から見た神奈川〜」はこちらへ


有珠山の鳥瞰図

有珠山の鳥瞰図(クリックで拡大)

洞爺湖畔の虻田町月浦上空4,600メートルから有珠山方向を見た鳥瞰図。
噴火位置は国土地理院および新聞などで発表されているものを参考にしている。

◆データ
 数値地図25000(地図画像)室蘭に含まれる「虻田」と「壮瞥」
数値地図50mメッシュ(標高)日本I
◆ソフト
 杉本智彦氏作成の「Kasimir+プラグイン(数値地図)」
http://www.kt.rim.or.jp/~sugi/


■当館広報誌「自然科学のとびら」でのリモートセンシング紹介例

 ・「地球観測衛星ランドサットと地図のデジタルデータ」(第4巻2号)
 ・「20万分の1ランドサット地図」(第7巻2号)
 ・「特別展「地球を見る」のポスター」(第7巻4号)
 ・「宙瞰図 鳥を越えた視点」(第9巻2号)
 ◆これより下の号からはPDFファイルです。
 ・「宇宙から見た三浦半島」(第12巻1号)
 ・「色と形から見る『にっぽん』“パノラマにっぽん”を楽しむために」(第12巻4号)

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