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丹沢の自然

丹沢を見る

 「丹沢」は、標高一、〇〇〇メートルを超える山々が多くそびえる、神奈川県の西部に位置する山地である、丹沢の範囲を、相模川(桂川)と足柄平野・秦野盆地にはさまれたエリアとすると、神奈川県の総面積は約二千四百万平方キロ、その中の三分の一に近い約七百万平方キロを占めている。

 この丹沢を見渡すために、宙瞰(ちゅうかん)図「丹沢」を作成した。これは、地球観測衛星ランドサットの画像を使ったコンピューター・グラフィクス鳥瞰図(鳥が見ているように高いところから見下ろした図)である。高度二百五十万キロという宇宙ともいえる高度から見ているため「宙瞰図」と呼んでいる。

 普通の衛星画像では、真上から見下ろしているため立体感に乏しい。しかし、斜めに見下ろす宙瞰図では、山が高さに応じた重なり方をしているため、立体感を得やすい。また、広範囲を一度に見ることができるため、尾根や谷のつながり方などの地形を読み取りやすいといった特徴がある。

 実際にこの宙瞰図を眺めてみよう。成層火山である富士山、カルデラが特徴である箱根火山とは対照的に、丹沢は何列にも山並みが連なっている様子がわかる。県内最高峰の蛭ケ岳(一、六七三メートル)をはじめ、桧洞丸(一、六〇二メートル)、大室山(一、五八八メートル)、丹沢山(一、五六七メートル)、大山(一、二四六メートル)などがあり、それぞれが深い谷を抱えている。

 このように深い谷が多く見られることが「丹沢」の名の由来(「丹(タン)」は「谷」を表すという説がある)というのも、この宙瞰図を見ればうなずけるはずである。

(県立生命の星・地球博物館学芸員、新井田秀一)

宙瞰図

丹沢の地形概略図

写真上=地球観測衛星ランドサットの画像を使った宙瞰図。中央付近が丹沢山地で、富士山(左上方)と箱根の山々(左下)も立体的に見える。
写真下=丹沢の地形概略図


※ 2003年12月5日に、神奈川新聞に掲載された記事を再録しました。

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