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丹沢の自然

丹沢の鉱物

 岩石は鉱物の集合体であり、鉱物は元素の集合体である。一種類の元素だけでできているものもあるし、複数の元素からできているものもある。

 たとえば、ダイヤモンドは炭素(C)だけでできているし、セキエイの結晶である水晶はケイ素(Si)と酸素(O)からできている。地球上に存在する数多くの元素が、いろいろな場所でさまざまに濃集し、現在までに四千を超す鉱物が発見されている。

 神奈川県内に産する約百三十種類の鉱物のうち、丹沢山地では約九十種類の鉱物が認められている。

 岩石を作る主要な鉱物であるセキエイやシャチョウ石、キ石、カクセン石、クロウンモなどをはじめとして、丹沢湖の周辺にみられる結晶片岩のなかのコウレン石、白石沢周辺はマグマの熱の影響をうけた接触変成岩のなかのベスブ石やキンセイ石がある。さらに、さまざまな岩石のなかの脈やすき間に見られる、白くて柔らかいフッ石などが丹沢山地にみられる代表的な鉱物である。

 特に、ベスブ石やキンセイ石などが産する白石沢周辺は、地質学的に貴重な産出状況を示しているため、県の天然記念物として地域指定されている。なお、丹沢山地をつくる地層の岩石が緑色を帯びて見えるのは、リョクレン石やリョクデイ石、セラドン石など、緑色をした鉱物が多く含まれているためである。

 岩石や鉱物の観察は、山の中のガケまで行って直接観察するのが一番であるが、険しい山を登るのも大変である。そこで、山から流れ出た河原の石を観察するのも一方法である。もしかすると、そのなかに貴重な鉱物を見つけることができるかもしれない。

(県立生命の星・地球博物館学芸員 平田 大二)

リョウフッ石

白くて柔らかいリョウフッ石は丹沢山地の代表的な鉱物の一つ(山北町玄倉産)


※ 2003年12月11日に、神奈川新聞に掲載された記事を再録しました。

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