みなかん

さかなだより
アブラボウズ

「オシツケ」と聞いてゴクッと唾を飲み込んだ方は相当な魚通である。オシツケとは小田原あたりの方言で、標準和名をアブラボウズ(ギンダラ科)という。切り身はその名のとおり油っぽく、白く濁った感じだが、口当たりは意外にさっぱりしていて、刺身で食べるとたいへん美味である。ただし、食べ過ぎると強い油のために下痢をすると言われている。

小田原の魚屋には切り身が刺身用に売られているので、まだ食べたことのない方はぜひお試しあれ。ただし、高級魚なのでけっこう高価!北方系の魚で、本州中部以北の太平洋岸からベーリング海を経てカリフォルニア沿岸まで分布しており、深海の岩礁域に生息している。

一見、ハタの仲間に似ているが、分類上はむしろアイナメ科に近縁と考えられている。とにかく黒っぽくて大きな魚で、全長は最大で2mほどになる。写真の個体は、外房千倉沖の水深800mの深海から漁獲された体重18 kgの成魚で、小田原魚市場を通じて神奈川県立生命の星・地球博物館に搬入され、液浸標本(KPM-NI0010439)として保管されている。
瀬能 宏(神奈川県立生命の星・地球博物館)


アブラボウズ

| 魚だより目次に戻る |



Copyright(C)1999 南関東地域科学系博物館ネットワーク
協議会事務局