カンパチ
言わずと知れた高級食用魚。遊漁(遊びの釣りのこと)の対象としても有名。もちろんダイバーにも憧れの的のひとつである。
しかし、この魚がアジの仲間であると知っている方は意外に少ないであろう。しかも近似種にヒレナガカンパチというのがいるのだが、これがまたよく似ていて、専門家でも混同していることがある。両種の違いは第2背鰭の前方が鎌のように伸びるか伸びないかで区別される。ここが伸びているのがヒレナガカンパチである。
他によい識別点となるのが二股に分かれた尾鰭下側の先端の色である。ここが白ければカンパチ、白くなければヒレナガカンパチである。ヒレナガカンパチはカンパチよりもやや南方系だが、伊豆半島沿岸でも高水温期に若魚が回遊してくる。
しかし、なぜか魚屋にならぶのはカンパチばかりだ。カンパチの旬は夏である。日にもよるが、1000円も出せばけっこう食べ応えがある。とにかく刺身がうまい。写真の個体は、小笠原諸島母島近海で漁獲、小田原魚市場を通じて博物館に搬入された。
資料収集の一環で購入されたものなので、もちろん液浸標本(KPM-NI 10436)にされたのだが、標本作製の過程で味見をする案がでたことは言うまでもない。
瀬能 宏(神奈川県立生命の星・地球博物館)
|
|