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侵略とかく乱の果てに
神奈川の移入生物

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シロツメクサ

 シロツメクサは、誰でも知っている身近な雑草の一つである。白い花で首飾りを作り、縁起がいいからといって四つ葉のクローバーを探して遊んだ経験のある人は多いのではないか。

「ツメクサ」とはオランダ人が江戸時代、ギヤマン(ダイヤモンド、一般にガラス製品を指した)を輸出する際に、割れないように間に詰めた草という意味である。一八四六(弘化三)年に詰め物として日本に渡来し、一八八六(明治一九)年には東京と札幌に帰化した記録がある。

 いまでは日本全国で普通に見られる雑草になってしまったが、これは詰め物から逃げ出したというよりも、牧草や斜面の緑化のために各地で大量に種子がまかれたためであろう。

 シロツメクサそのものが帰化植物であるが、シロツメクサが他の帰化植物の供給源になることもある。シロツメクサの種子は直径一ミリと小さいため、原産地の雑草の種子を完全に取り除くことは不可能である。そのため、シロツメクサの種子に交じって原産地の雑草が日本に侵入することがある。牧草の種子は専門業者が扱うため、一般には入手しにくいが、シロツメクサの種子は少し大きな園芸店に行けば、500グラムの袋入りのものが売られている。

 原産地は米国やニュージーランドなどである。試しに購入して、どんな雑草の種子が交ざっているか調べてみたところ、シロツメクサの種子とだいたい同じぐらいの大きさの、さまざまな種子が見つかった。その一部を写真で示す。いちばん左上がシロツメクサの種子である。他は明らかにシロツメクサとは異なる。これをまいたら、いったいどんな雑草が生えてくるのだろうか?

(生命の星・地球博物館 勝山輝男)

シロツメクサの種子と、混入していた雑草類の種子

シロツメクサの種子(左上)に混入していた雑草類の種子


※ 2003年7月26日に、神奈川新聞に掲載された記事を再録しました。

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