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侵略とかく乱の果てに
神奈川の移入生物

身近な移入生物たち

フン害のドバト

 公園や駅の構内で、たくさんのハトを見かける。アフリカ北部から中国西部にかけて生息するカワラバトを元に品種改良して作られた家禽(かきん)が野生化したもので、一般にはドバトと呼ばれている。

 古くから、世界各地で観賞用や通信用、食肉用として改良されてきており、現在では二百品種以上がいるといわれている。日本へは、一千年以上も前に愛玩用として持ち込まれたようだ。

 ドバトは街なかに多く、駅や公園では必ずといっていいほど姿を見かける身近な鳥だ。はっきりとした総生息数は分からないが、おそらく増加の傾向にあるのではないだろうか。

 コンクリートで覆われた都市環境が、本来の生息環境に似ていたため適応しやすかったこと、人間が与える餌や残飯への依存性が高いこと、一年中繁殖できる習性を持っていることなどが増加の原因だと思われる。特に餌は大きな要因であろう。

 近年、数の増加に伴いドハトによるフン害が各地で多発している。フンは、直接人間に落ちてくるだけではなく、建物や手すりが汚れるとともに、フンがたまると悪臭を放ち、病原菌の発生源にもなりかねない。被害を受けている場所では、追い払うためにさまざまな対策をしているが、あまり効果は上がっていないようだ。

仮にその場所で成功しても、移動先で同じような問題を起こし、フン害を拡散させることになる。つまり、ドバトそのものの数をコントロールしなければ、根本的な解決にはならないのだ。公園でドバトに餌を与える光景をよく見かけるが、餌を与えればドバトの数は増え、そしてフン害も拡大していく。

(県立生命の星・地球博物館 加藤ゆき)

ドバト

この写真を撮った小田原城では、約200羽のドバトが見られる。ドバトにエサを与える人が多く、撮影した日も1時間で数人の姿を見かけた。


※ 2003年7月28日に、神奈川新聞に掲載された記事を再録しました。

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