神奈川県立生命の星・地球博物館

[地球博トップページ][自然科学のとびら][第10巻第4号]→企画展の“かながわくん”から考える「+2℃の世界」から「−CO2の世界」へ


2004年12月15日発行 年4回発行 第10巻 第4号 通巻39号 ISSN 1341-545X

自然科学のとびら

Vol.10, No.4  神奈川県立生命の星・地球博物館  Dec., 2004


企画展の“かながわくん”から考える「+2℃の世界」から「−CO2の世界」へ

田口 公則(学芸員)
+2℃の世界

 展示のねらいをわかりやすく表現するべく、企画展「+2℃の世界〜縄文時代に見る地球温暖化〜」のポスターにはいくつかのパーツを盛り込みました。‘かながわくん’と呼んでいる地球のデザインは、「新アジェンダ21かながわ」から得ました。ポスターの4つの地球をよくみるとそれぞれ神奈川の形が違います。これはそれぞれの時代の古地理、つまり温暖期で海面が高かった時期(間氷期)と寒冷期で海面が低かった時期(氷期)を表現しています。神奈川の現在の海面を基準にすると、温暖期の6千年前と12.5万年前は海面が高く陸地が狭まり、反対に氷期の2万年前は海面がずっと低く陸地が広がりました。氷期には地球の氷が増え、そのぶん海水が少なくなるのです。このような氷期/間氷期のくり返しを大局的にみると、ここ数十万年間については10万年の変動周期があることがわかっています。かながわくんの下にある青色のギザギザの矢印線はその変動を表現しています。急激に温暖化し温暖期のピークを迎え、その後、徐々に寒くなり氷期のピークとなるサイクルです。

 さらに、この気温変化と二酸化炭素濃度の変化のサイクルが対応していることがわかってきました。ここで問題なのは、ずっと一定の範囲のレベルで変動してきた二酸化炭素濃度が、人類の活動によりすでにそのレベルをこえた状態になってしまったことです。この事実は、過去のことを調べた結果わかってきたことです。

 今後、どのように温暖化がすすむのでしょうか。もしかすると、新たな連鎖が生じてリズムの異なった地球温暖化をもたらすかもしれません。少なくとも‘マイナスCO2の世界’を目指すこと必要でしょう。は過去の現象をくわしく解明し未来を予測し、これからわたしたちはどう生きるか、真剣に考えていく時期にあるようです。


[目次へ]
© Copyright Kanagawa Prefectural Museum of Natural History 2005. All rights reserved.

[ページ先頭へ]