神奈川県立生命の星・地球博物館

[戻る]

1999年12月15日発行 年4回発行 第5巻 第4号 通巻19号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.5, No.4  神奈川県立生命の星・地球博物館  Nov.,1999


珪化木 アラウカリオキシロンの一種 Araucarioxylon sp.

大島光春(学芸員)
珪化木横断面
上:横断面の顕微鏡写真オープンニコル
下:横断面の顕微鏡写真クロスニコル
展示室の珪化木
展示室の珪化木

中生代三畳紀後期
アメリカ合衆国アリゾナ州アダマーナ
同定:鈴木三男教授(東北大学理学部付属植物園)


木材が地層中に埋もれている間に、地下水に溶けた珪酸によって、組織が二酸化珪素(SiO2)に置き換えられた化石のことを珪化木といいます。

珪化木の組織を調べるには、上の横断面の他に、横断面と直行する放射断面と接線断面の観察も必要ですが、紙面の都合から横断面だけを示しました。オープンニコルで茶色く見えるのが細胞壁で、白い部分は細胞が入っていた部屋です。この部分をクロスニコルで見ると灰色に見えて、SiO2で満たされていることがわかります。

このアラウカリオキシロンの珪化木は、南半球だけに分布している現生のナンヨウスギ属(Araucaria:裸子植物)によく似ています。ナンヨウスギの仲間は、中生代三畳紀のはじめ(およそ2億4千万年前)頃出現し、世界中に分布していました。北半球では白亜紀後期(およそ8千万年前)に絶滅し、それ以降は南半球だけに見られます。


[戻る]