神奈川県立生命の星・地球博物館

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2000年3月15日発行 年4回発行 第6巻 第1号 通巻20号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.6, No.1  神奈川県立生命の星・地球博物館  Mar.,2000


イレズミコンニャクアジ Icosteus aenigmaticus Lockington, 1880

瀬能 宏(学芸員)

写真上:全身;下左:左側の第1鰓弓;下中:左側の胸鰭;下右:頭部右側

瀬能 宏 撮影


1999年12月18日、小田原市早川沖の相模湾で、イレズミコンニャクアジ科の稀種イレズミコンニャクアジが、本田正美氏(舟右ェ門丸)により漁獲されました。水深120mの海底に仕掛けた刺網に罹ったそうです。この個体は全長が約135cmあることから成魚と考えられ、写真撮影の後に当館魚類資料(KPM-NI 6990)として登録、保管されました。

イレズミコンニャクアジは、北太平洋に広く分布する北方系の魚で、成魚は水深1000m付近の深海に生息すると言われています。また、幼魚は沿岸の表層近くにいて、過去には高知県や瀬戸内海からも記録されています。体がこんにゃくのように柔らかいことが特徴で、全長40cm程度までの幼魚の体には刺青のような小さい斑点がたくさんあります。

本種の出現には冷水塊との関係が示唆されており、同年3月に房総沖で発生した冷水塊と何らかの関係があるのかも知れません。


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