神奈川県立生命の星・地球博物館

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2001年3月15日発行 年4回発行 第7巻 第1号 通巻24号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.7, No.1  神奈川県立生命の星・地球博物館  Mar.,2001


愛川町で発見されたイトアメンボ

Hydrometra albolineata (Scott)

(体長11-14mm程度)

イトアメンボ

愛川町尾山、2000年9月

高桑正敏撮影

高桑正敏(学芸員)

水環境にすむカメムシ類の1種、イトアメンボは環境庁が昨年4月に発表した昆虫のレッドリスト改訂版の中で、絶滅危惧II類に挙げられました。かつては、関東地方以西にふつうに生息していたと考えられていましたが、いつのまにか、関東はおろか本州でもほとんど記録がない状態になっていたのです。

それがなんと昨年、自然の水環境では都道府県の中では最悪との呼び声の高い神奈川県で生息が確認されたのです。もちろん、東日本では唯一の確実な産地です。場所は愛川町の八菅山と中津川に挟まれた尾山耕地。

ところが大問題がありました。この耕地の中央に立派な町道が計画されていたのです。イトアメンボは再発見された時点で、絶滅に直面してしまったのです。けれども、関係者の努力によって道路は迂回される見通しです。生物多様性保全を尊重する波は、確実に地域にも浸透しつつあります。愛川町はその英断によって全国から賞賛されることでしょう。


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