神奈川県立生命の星・地球博物館

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2001年6月15日発行 年4回発行 第7巻 第2号 通巻25号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.7, No.2  神奈川県立生命の星・地球博物館  Jun.,2001


資料紹介 20万分の1ランドサット地図

新井田秀一(学芸員)
20万分の1ランドサット地図

▲ 20万分の1ランドサット地図

地図は、国土地理院発行のCD-ROM「数値地図200000(地図画像)」日本-IおよびIIに収録されているデータを使用。

今回紹介するこの写真は、地球観測衛星ランドサットの観測した画像を、国土地理院発行20万分の1地勢図と合成したものです。実物は、地勢図57枚分(縦3.2m×横5.5m)になります。この写真では見えないですが、地名・河川・鉄道などの情報により位置関係がわかりやすくなっています。

地球観測衛星ランドサット

地球の資源探査を目的とし、現在は5号と7号が観測しています。今回使用したのは5号に搭載されているセマティックマッパー(TM)というセンサーが観測した画像です。TMは、可視域から熱赤外までを7つの波長帯にわけて観測していますが、その中から可視域(青、緑、赤)のデータを使用しています。

TMは東西およそ180kmの幅を観測します。多少重複がありますが、13ラインで日本列島をカバーします。しかし、列島は南北に細長いため、観測ラインに雲がひとつもないという理想的な状況はまれです。できるだけ雲の少なくなるように、1995年から2000年の間に観測された画像を組み合わせてあります。森林がきれいな緑に見えるようにするには、春から初夏に観測されたデータを使用するのがいいのですが、晴れている日は秋から冬に集中します。この写真で赤石山脈や飛騨山脈・奥羽山脈などに白い部分があるのは、11月観測のために標高の高い山岳部に積雪が認められるためです。緑の調子に差があるのも、季節差のためです。

地図との合成

ご存知のように地球は球体をしています。地図は、丸い地表の様子を平らな紙に写し取るわけですから、距離・面積・角度を同時に正確に表すことはできません。しかし可能な限り正確に写し取る図法として20万分の1地勢図は、横メルカトール図法を使っています。それに対しTMは言わば「巨大なスキャナー」であるため、地球表面を平らにスキャンしたような画像になります。そこで投影法を一致させるために、いくつかの画像処理を行っています。そのため、正確には縮尺20万分の1とはなっていません。緯度が高くなる(北へ行く)ほど、多少面積が広がっています。

これから

琵琶湖の西岸・奈良盆地よりも西側が黒いのは、この地図が作成途中だからです。現在、北海道を処理中であり、今後は西へ拡大しています。完成すれば、10m四方の大きさになる予定です。この秋には、リモートセンシングなどをテーマにした特別展を当館特別展示室にて開催します。お楽しみに。


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