神奈川県立生命の星・地球博物館

[戻る]

2001年12月15日発行 年4回発行 第7巻 第4号 通巻27号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.7, No.4  神奈川県立生命の星・地球博物館  Dec.,2001


特別展「地球を見る」のポスター

新井田秀一・田口公則(学芸員)
「地球を見る」ポスター

図1 特別展「地球を見る」ポスター.鳥瞰図の作成にあたっては、米国政府所有のものを、SpaceImaging®/宇宙開発事業団から提供を受けたランドサット衛星画像データを使用した。標高データは、国土地理院長の承認(承認番号平13総使、第227号)を得て同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。

[拡大画像](1841 x 2595 pixel, 942KB)

平成13年度秋冬に行なわれた特別展「地球を見る」では、ポスターが話題となりました。展示室においても、この見なれない視点からの鳥瞰図に多くの人が興味を持たれました。中には飛行機から撮影されたのですか?と勘違いされた方もいらっしゃいました。

このポスターに使われている鳥瞰図は、人工衛星からの観測画像を元にコンピューターにて描き出したものです。もう少し詳しくいうと、ランドサットの衛星画像と、国土地理院の地形図から作成された数値標高データ(数値地図50mメッシュ)を鳥瞰図作成ソフト(カシミール3D)を用いて描きました。計算上では、高度約900kmの上空から西に向かって斜め下45度に見下ろすように描かれています。高さについては1.5倍に強調してありますので 実際の見え方とはすこし違ってきます。

鳥瞰図をよくみると、東西方向には、遠くの南アルプス赤石山脈から手前の東京湾、千葉港までの約200km、南北には約80kmにおよぶ範囲が示されています。ランドサット画像の解像力は30mの大きさですから、富士山や箱根といった山々はもちろんのこと、河川の流れや街並み、さらには東京湾内を航行する船舶まで読み取ることができます。鳥瞰図で箱根の麓をよく見ると当館の建物がわかると思います。このようにランドサットの画像を元にした鳥瞰図からは様々なものを見つけることができます。

衛星画像あるいは地図を読むとき、地上の情報を多く知っている人ほど、画像や地図から情報を引き出すことができるという特性があります。それでは自然史の情報にくわしい学芸員はどんなものを見つけるだろうかと思い、学芸員ごとに一見して気がついたものを順に挙げてもらいました。ポスターの右端にある細かい文字はそのリストです。富士山や箱根はだれでも気がつく筆頭ですが、10項目以上挙げるとその学芸員のバックグラウンドが見えてくるのではないかと期待したのです。そのリストからそれぞれの分野の特徴を見いだすのは難しい結果となりましたが、それでも県西部の情報が多くリストされたことは博物館に身近なフィールドへの関心の表れかもしれません。さらに時間をかけて読んだならば様々な自然史情報が写りこんでいることを見つけることでしょう。

自然史博物館に集まる人には、ぜひ、鳥瞰図から身近な自然史を読みとってほしい。そして、実際にフィールドに出かけて確かめてほしい。そんな願いをポスターに込めました。



[戻る]

[地球博トップページへ]