神奈川県立生命の星・地球博物館

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2003年6月15日発行 年4回発行 第9巻 第2号 通巻33号 ISSN 1341-545X


自然科学のとびら


Vol.9, No.2  神奈川県立生命の星・地球博物館  June, 2003


宙瞰図 鳥を越えた視点

新井田秀一(学芸員)
宙瞰図
図1.宙瞰図「宇宙から見る(関東・中部)」
※クリックすると、拡大画像が開きます。(2669×1897ピクセル、894KB)

宙瞰図とは

高さの概念図
図2.高さの概念図

高いところから見下ろしたような景観の図を「鳥瞰図」といいます。この視点の高さを、人工衛星のような大気圏の外に置いたものが神奈川県立生命の星・地球博物館オリジナル「宙瞰図」です。

私たちが実際に体験できる視点の高さは、横浜ランドマークタワー展望台で273m、富士山頂で3,776m、ジャンボジェットでも10,000m(図2)ですから、「宙瞰図」の展望がいかに高いかご理解いただけるでしょう。ちなみに「宙瞰図」というのは、鳥が見ている高さが「鳥瞰図」なら、大気圏外、つまり宇宙から見ているのだからと考え出した造語です。

「宙瞰図」は、コンピュータグラフィクス(CG)です。標高は、国土地理院の数値地図(標高)のデータ、地表の様子は、当館が所有している地球観測衛星ランドサットの画像を使っています。(参照:自然科学のとびら第4巻第2号)

特徴

高いところから地表を見ると、より広い範囲の情報を得ることができます。「宙瞰図」の場合は、斜め上から見下ろしているので、地形による陰影があり、地図よりも立体感が読み取りやすいという特徴があります。また、ランドサット画像から地表の様子をリアルに読み取ることもできます。そのため、都市・工場地帯・森林・田畑など見つけられるだけでなく、どのような地形のところにあるかまで読み取ることができます。これは、環境を読み取ることになります。さらに、山脈・盆地・平野などの地形だけでなく、断層などの構造線など、大地の動きまで見ることができます。

2001年度特別展「地球を見る 〜宇宙から見た神奈川〜」で開催告知ポスターに使用した図(参照:自然科学のとびら第7巻第4号)は、小学校社会科の副読本や高校地図帳などに引用されています。

「宇宙から見る(関東・中部)」

図1は、特別展の際、伊豆半島から谷川岳まで4枚の鳥瞰図を屏風状に展示していたものを1枚に集成したものです。当館から東北東に1,400km離れた太平洋(北緯36度30分 東経154度30分)の上空900kmより俯瞰した設定です。南北(左右方向)は約220km、東西(上下方向)は約300kmが描かれています。わたしたちの住む神奈川だけでなく、富士山、南アルプス(赤石山脈)、中央アルプス(木曽山脈)、北アルプス(飛騨山脈)、関東山地、関東平野、甲府盆地、伊那盆地、松本盆地などがわかりますか。場所がわかりやすいように、この図には主だった山・川・都市について名前を示してあります。

2003年3月、この「宙瞰図」は当館オリジナルの「ミュージアムグッズ」となりました。特別展の開催以来、ランドサット画像を使った鳥瞰図に関する問い合わせが多く、議会かながわNo.89 (2003.1)の表紙を飾ってからはさらに増えました。そこで、当館ミュージアムショップの協力を得て、「宇宙から見た神奈川」と合わせて2種類を発行します。パノラマ観を損なわないように、B1判(103×72.8cm)の大判です。

この「宙瞰図」は、見る人によってさまざまな情報が読み取れるはずです。地形・ 地質だけでなく地球科学全般に興味を持っていただけたなら幸いです。

宙瞰図「宇宙から見た神奈川」 「宇宙から見る (関東・中部)」は、当館ミュージアムショップにて発売中です。店頭でお求めいただくと、特価750円(税込み)。通信販売もあります。

詳しくは、ミュージアムショップまでお問い合わせください。


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