• スタッフ紹介

私たちが博物館のスタッフです!

スタッフ写真

山下 浩之 (Hiroyuki YAMASHITA)

主任学芸員

専門:地質学、岩石学

学位:博士(学術)

E-mail:yama@nh.kanagawa-museum.jp

主に岩石のでき方を調べています。対象とするフィールドは、博物館の位置する箱根火山をはじめ伊豆半島や丹沢山地、さらには南フィリピン海のパレスベラ海盆の深海底などです。しんかい6500による潜航調査も2回行いました。最近は箱根ジオパークの学術的支援も行っております。

2015年5月28日 更新

資料収集(あつめる)

学術研究船「白鳳丸」の甲板にて作業

学術研究船「白鳳丸」の甲板にて作業
(KH07-02航海)

箱根火山の溶岩類をはじめ、神奈川県内に分布する岩石を集めています。神奈川から続く伊豆半島の岩石もターゲットです。その他、展示などの度に日本中の岩石を集めに出かけています。

調査・研究(しらべる)

南フィリピン海パレスベラ海盆の斑れい岩

しんかい6500乗船前の記念写真(緊張してます)

しんかい6500乗船前の記念写真
(緊張してます)

神奈川県のほぼ南、北緯16度あたりの深海底には、ゴジラメガムリオンと呼ばれる世界最大の海洋コアコンプレックスがあります。ここでは海底にマントルや下部地殻を構成するかんらん岩や斑れい岩が露出しています。私は2003年から調査航海に参加して、斑れい岩を調べています。10年に及ぶ研究の末、ようやく斑れい岩の成因がわかってきました。

参加した航海
  • KR03-01航海(2003年1月;ドレッジ調査)
  • KH07-02 Leg2航海(2007年8月;ドレッジ調査)
  • KH07-02 Leg4航海(2007年9月;ドレッジ調査)
  • YK09-05航海(2009年5月;潜航調査)
  • YK11-08航海(2011年10月;潜航調査)
学会発表
  • 山下浩之・小原泰彦, 2004.5. パレスベラリフト産ガブロ様岩の岩石学的特徴, 地球惑星科学関連学会2004年合同大会, 幕張メッセ国際会議場.
  • 山下浩之・小原泰彦, 2011.5. ゴジラメガムリオンから採集された斑レイ岩類の岩石学的特徴.日本地球惑星科学連合2011年大会, 幕張メッセ国際会議場.
  • 山下浩之・小原泰彦・有馬眞, 2014.5. ゴジラメガムリオンと中央海嶺メガムリオンから探る海洋リソスフェアの斑れい岩類の岩石学. 日本地球惑星科学連合2014年大会, パシフィコ横浜会議センター.

礫岩層に含まれる火成岩礫の解析によるテクトニクスの復元

大磯町西小磯の海岸に這いつくばっての礫の調査中

大磯町西小磯の海岸に這いつくばっての礫の調査中

礫岩層に含まれる火山岩礫は、その地層ができた当時の環境(プレートの配置など)を反映していることがあります。特に謎が多い大磯丘陵の基盤岩類や、三浦層群の基部にあたる葉山層群に含まれる礫を解析することで、当時どのようなテクトニクス下にあったのかを推測します。

関連論文
  • 山下浩之・平田大二・小出良幸, 2005.3. 神奈川県西小磯海岸に分布する新第三系大磯層に含まれる火山岩礫の起源とそのテクトニクス.神奈川県立博物館研究報告自然科学, 34: 27-46.
  • 蛯子貞二・山下浩之, 2012.2. 葉山層群に見られる礫の岩石学的特徴. 神奈川博調査研報(自然), 14: 75-84.

石造物の素材となる火山岩類の給源の推定

鎌倉時代から江戸時代にかけてつくられた石造物やお城の石垣、これらの材料となった石材がどの火山から持ってこられたのか?石材を岩石学的に解析することで給源が見えてきます。箱根火山の場合は、どの溶岩を使っているのかまで調べています。箱根火山の場合は、山体レベルでどの溶岩を使っているのかまで調べています。

関連論文
  • 山下浩之・笠間友博, 2007. 小田原市早川の石丁場群で発掘された矢穴石の岩石学的特徴, 神奈川自然誌資料, 28: 7-12.
  • 山下浩之・笠間友博, 2015.3. 神奈川県湯河原町に産する通称“白丁場石”の岩石学的特徴. 神奈川県立博物館研究報告自然科学, 44: 1-10.
報告書
  • 山下浩之・笠間友博・神奈川県立生命の星・地球博物館地学ボランティア, 2008. 箱根火山の噴出物および基盤岩類の全岩化学組成データベース. 神奈川博調査研報(自然), 13: 211-218.
  • 山下浩之, 2009.8. 岩石学的検討による石材給源の推定~箱根火山の安山岩を例に~. 科学研究費補助金「中世における石材加工技術~安山岩製石造物の加工と分布~」発表資料集, 1-8. 国立歴史民俗博物館.
  • 山下浩之, 2015.3. 早川石丁場群周辺に産する石材の理化学分析. 小田原市文化財調査報告書第175集 早川石丁場関白沢支群分布調査報告書, 114-134. 小田原市教育委員会.

その他

過去に行った研究履歴がわかりそうな論文
  • 有馬真・末包鉄郎・門田真人・加藤英樹・山下浩之, 1990. 丹沢山地で発見されたザクロ石を含む流紋岩. 神奈川地学, 70: 1-6.〔丹沢の岩石〕
  • 山下浩之・大谷栄治, 1995. キンバライトの高圧実験: 上部マントルにおける流体の化学組成について. 神奈川県立博物館研究報告自然科学, 24: 1-8. 〔高温高圧実験〕
  • 山下浩之・小出良幸・平田大二・新井田秀一・佐藤武宏・田口公則, 1999. 博物館における地球科学の新しい学習支援活動. 博物館学雑誌, 25, 55-62.〔博物館学〕
  • 小出良幸・山下浩之・川手新一・平田大二, 2000. 蛍光X線分析装置による岩石主要元素の分析精度の検証. 神奈川県立博物館研究報告自然科学, 29: 107-125.〔化学分析〕
  • 笠間友博・山下浩之・萬年一剛・奥野充・中村俊夫, 2010.4. 複数回の噴火で形成された箱根火山二子山溶岩ドーム. 地質学雑誌, 116(4): 229-232.〔箱根の岩石学〕
  • 平田大二・山下浩之・坂本 泉・小田原 啓・滝野義幸・鬼頭 毅・藤巻三樹雄・萬年一剛・新井田秀一・笠間友博・齊藤靖二, 2010.10. 箱根火山芦ノ湖の湖底における箱根町断層地形. 地学雑誌, 119(5): 911-916.〔断層研究〕
  • 平田大二・山下浩之・鈴木和恵・平田岳史・李毅兵・昆慶明, 2010.12. プロト伊豆-マリアナ島弧の衝突付加テクトニクスレビュー. 地学雑誌, 119(6): 1125-1160.〔伊豆・小笠原弧のテクトニクス〕

展示(みせる)

特別展「箱根火山 いま証される噴火の歴史」展示室風景

特別展 「箱根火山 いま証される噴火の歴史」 展示室風景

地球環境グループでは、基本的にメンバー全員で特別展示や企画展示をつくっています。これまで主担当として関連した特別展は、「箱根火山 いま証される噴火の歴史」(2008.7-2008.11)です。その他、最近では副担当として、企画展「箱根ジオパークをめざして-箱根・小田原・真鶴・湯河原の再発見!-」(2011.12-2012.2)や特別展「日本列島20億年 その生い立ちを探る」(2010.7-2010.11)などをつくりました。最近は更新のペースが衰えましたが、ジャンボブックコーナーの「トピックス」展示の更新も行っています。

教育・普及(つたえる)

これまでに実施した観察会(場所のみ)

  • 箱根火山関連(石垣山一夜城、根府川、金時山、真鶴半島、箱根大涌谷周辺、湯河原町城山など)
  • 大磯丘陵関連(湘南平・国府津・渋沢・吾妻山など)
  • 丹沢山地関連(谷峨、山北駅周辺、大野山、中川温泉、四十八瀬川流域)

これまでに企画した講座

  • 2011年機関活用講座「箱根をジオパークとして楽しむために」
  • 2008年機関活用講座「新しい箱根火山の生い立ちを探る」
  • 2006年オープンカレッジ「丹沢の生い立ちを探る」