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松本 涼子 (Ryoko MATSUMOTO)

学芸員

専門:両生爬虫類学、機能形態学、進化生物学

学位:Ph.D.(理学博士)

E-mail:r-matsumoto@nh.kanagawa-museum.jp

現生及び化石種の両生類・爬虫類の形に興味を持っています。特に、頭部や首の形が、どの様な環境で、どのように獲物を捕らえるのに適応したのか? 動物の動き、筋肉の付きかた、骨格の形などを見て、機能と形態進化について研究しています。大学院では淡水生の絶滅爬虫類(コリストデラ類)を中心に研究してきましたが、最近は両生類に着目しています。両生類が獲物を捕らえる瞬間を高速カメラで記録するため、水槽の前でカメラを構えて彼らをジッと見守っています。

2017年4月13日 更新

プロフィール

経歴

2003年
東京農業大学農学部農学科卒業
テーマ:手取層群大黒谷層(下部白亜系)より産出したコリストデラ類

2005年3月
早稲田大学大学院環境資源及材料理工学専攻(地質学部門)理学修士取得
テーマ:A new Monjurosuchus (Reptilia: Choristodera) from the Lower Cretaceous of Japan

2006年3月
ロンドン大学語学学校(University College London, Language School, Diploma for Academic English Course) アカデミック英語ディプロマ取得

2011年6月
ロンドン大学大学院博士課程 細胞及び発生生物学講座(University College London, Dept. Cell and Developmental Biology) Ph.D.取得(理学博士)
テーマ:The Palaeobiology of Choristodera (Reptilia: Diapsida)

2011年9月〜2012年3月
国立科学博物館地学研究部 技術補佐員

2012年4月〜8月
東京学芸大学非常勤講師

2012年4月〜2013年3月
日本学術振興会特別研究員(国立科学博物館地学研究部生命進化史グループ)

2013年4月~2016年3月
神奈川県立生命の星・地球博物館 非常勤学芸員

2016年4月
神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸員

 

資料収集(あつめる)

神奈川周辺だけでなく、全国及び海外の両生類・爬虫類の液浸標本や骨格標本を収集しています。特にワニやカメの骨格標本が豊富です。最近では、骨格と共に軟骨など軟組織の保存にも挑戦しています。また、生体や標本の画像資料も収集しています。これらの資料は、研究・展示だけでなく、学習用として活用されており、講座や毎年3月に開催されるミューズフェスタなどでは、皆さんに実際に標本を触って頂き、ウミガメの甲羅の骨格パズルを楽しんでいただいています。

当館所蔵のワニの骨格標本(一部)

当館所蔵のワニの骨格標本(一部)

当館所蔵の液浸標本(一部)

当館所蔵の液浸標本(一部)

 

画像コレクションの生態写真

画像コレクション:生体写真
(トノサマガエル KPM-NFA 256)

画像コレクションの液浸標本写真

画像コレクション:液浸標本写真
(アカハライモリ KPM-NFA 31)

 

調査・研究(しらべる)

魚が手足を獲得して、上陸を果たす過程は脊椎動物の進化の中の大きな転換期の1つです。その過程で、呼吸や繁殖様式など様々な変化がありますが、獲物を捕まえる様式も大きく変化しました。現生の両生類を用いて彼らの頭骨形態がどのような捕食に適しているのかを調べることで、絶滅した両生類の頭骨機能の復元の基盤を造ることを目指しています。特に最近では、国内外の両生類(特に有尾類)の顎の動きを撮影する他、解剖、CTスキャナーなどを用いて、頭部と頸部の形態と運動機能の関係について調べています。

CTスキャナー画像

オオサンショウウオのCT画像

調査研究

オオサンショウウオの生体を撮影している様子

 

インドガビアルのCT画像

インドガビアルのCT画像

ファイヤーサラマンダーのCT画像

ファイヤーサラマンダーのCT画像

 

外部資金

  • 日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究C(2017〜2021)研究代表者
  • 藤原ナチュラルヒストリー研究助成金(2017年)研究代表者
  • アンネスリープ研究助成金(Anne Sleep), Royal Society of the Linnean Society of London (2015年) 研究代表者
  • 日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究C(2015〜2017年)研究分担者
  • 日本学術振興会科学研究費補助金若手B(2014〜2016年)研究代表者
  • 笹川科学研究助成金(2014年)研究代表者
  • 藤原ナチュラルヒストリー学術研究助成金(2014年)研究代表者

研究業績

学術雑誌(査読有り)
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2016. The palatal dentition of tetrapods and its functional significance. Journal of Anatomy, 230. 47-65.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2016. Morphology and function of the palatal dentition in Choristodera. Journal of Anatomy, 228. 414-429.
  • Evans, SE., and Matsumoto, R. 2015. An assemblage of lizards from the Early Cretaceous of Japan. Palaeontologia Electronica, 18.2.36A.外部リンク[外部リンク]
  • Matsumoto, R, Manabe, M, and Evans, SE. 2014. The first record of a long-snouted choristodere (Reptilia, Diapsida) from the Early Cretaceous of Ishikawa Prefecture, Japan. Historical Biology, 27: 583-594.
  • Matsumoto, R, Buffetaut E, Escuillie F, Hervet S, and Evans SE. 2013 New Material of the choristodere Lazarussuchus (Diapsida, Choristodera) from the Paleocene of France. Journal of Vertebrate Paleontology, 33: 319-339.
  • Evans, SE., Jones, MH., and Matsumoto, R. 2012. A new lizard skull from the Purbeck Limestone Group (Lower Cretaceous) of England. Bulletub de la Société Géologique de France, 183: 517-524.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2010. Choristoderes and the freshwater assemblages of Laurasia. Journal of Iberian Geolody. 36: 253-274.
  • Matsumoto, R., Suzuki, S., Tsogtbaatar K., and Evans, SE. 2009. New material of the enigmatic reptile Khurendukhosaurus (Diapsida: Choristodera) from Mongolia. Naturwissenschaften, 96: 233-242.
  • Matsumoto, R., Evans, SE., and Manabe, M. 2007. The choristoderan reptile Monjorosuchus from the Early Cretaceous of Japan. Acta Palaeontologica Polonica, 52: 329-350.
  • Matsumoto, R., Evans, SE., and Shimojima, S. 2002. The dentary of a choristodere (Reptilia: Archosauromorpha) from the Okurodani Formation, Tetori Group (Early Cretaceous), Japan. Bulletin of the National Science Museum Tokyo, 28: 43-48.

委員会活動

学会
  • 日本古生物学会化石編集委員

 

主な著書・翻訳書
  • 見る目が変わる博物館の楽しみ方(分担執筆,ベレ出版,2016年)
  • 恐竜学入門—からだ・生態・絶滅—(真鍋真 監訳,藤原慎一,松本涼子訳).東京化学同人,2015年).Dinosaurs (Second edition), D. E. Fastovsky; D. B. Weishampel.
  • 大恐竜展—ゴビ砂漠の驚異— (分担執筆,国立科学博物館,読売新聞社.特別展図録.pp.110-113. 2014.
 
普及的印刷物
  • 松本涼子.2015.白山市桑島層から解き明かすコリストデラ類の謎.はくさん.石川県白山自然保護センター普及誌.第43巻 第2号.
 
普及誌等における解説
  • 松本涼子. 2014. ワニのようでワニではないコリストデラ類の発見.白山市ライン博士顕彰会.
  • 松本涼子. 2014. コリストデラ類はどんな動物? 大恐竜展—ゴビ砂漠の驚異— 国立科学博物館,読売新聞社. 特別展図録. pp.110-113.
  • 松本涼子. 2010. 桑島層のコリストデラ類.桑島化石壁の動物化石調査報告. 白山市教育委員会.
  • Matsumoto, R. 2009. Skull function and evolution in Choristodera (Reptilia: Diapsida). Palaeontological Association Newsletter 70: 75-79.
  • 松本涼子. 2005. 桑島層のコリストデラ類.桑島化石壁の動物化石調査報告. 白山市教育委員会.pp21-23.
  • 松本涼子. 2004.オーストラリア前期白亜紀の小型脊椎動物化石発掘 (Dinosaur Dreaming 2004)の紹介 日本地質学会NEWS 7: pp26-27.
  • 松本涼子. 2004. 荘川村の名前がついた爬虫類.白亜紀の荘川村その研究と復元.荘川村教育委員会.pp38-43.
 
主な国際会議における発表(査読有り)
  • Hirayama, R. et al. 2015. Fossil vertebrates from the Late Cretaceous (Turonian) of Iwate Prefecture, eastern Japan. 10月,2015年,ダラス,ポスター.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2014. Functional morphology of the palatal dentition in the reptilian group, Choristodera. 11月,2014年,ベルリン,ポスター.
  • Suzuki, D., Matsumoto, R. 2014. Tarsal bone morphology of crocodiles reveals the ankle joint mechanism. 11月,2014年,ベルリン,ポスター.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2013. Feeding behavior and the functional anatomy of the neck in the long-snouted Choristodera, Champsosaurus and Simoedosaurus (Reptilia: Diapsida). 11月,2013年,ロサンゼルス,ポスター.
  • Matsumoto, R. 2011. Freshwater niche competition between choristoderes and crocodiles in the Mesozoic and Paleogene. Annual meeting of the Society of Vertebrate Paleontology, Las Vegas, Nevada, US. 11月,2011年,ポスター.コルバート賞受賞(最優秀ポスタ-賞).
  • Matsumoto, R., Buffetaut, E., Escuillie, F., and Evans, SE. 2011. New material of the choristodere Lazarussuchus (Diapsida: Choristodera) from the Palaeocene in France. Annual Symposium of Vertebrate Palaeontology and Comparative Anatomy, Lyme Regis, UK. 9月, 2011年,口頭.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2011. Function of palatal dentition. The Annual Symposium of Vertebrate Palaeontology and Comparative Anatomy, Lyme Regis, UK. 9月, 2011年,ポスター.
  • Matsumoto, R., 2009. Phylogenetic problems in an enigmatic reptilian group, Choristodera. XIth Young Systematists’ Forum, London, UK. 12月, 2009年, ポスター. 最優秀ポスタ-賞受賞.
  • Matsumoto, R., and Evans, SE. 2009. Choristoderes and the freshwater assemblages of Laurasia. 10th International Meeting of Mesozoic Terrestrial Ecosystems and Biota, Teruel, Madrid, Spain. [Short Papers: 69-71]. 9月, 2009年, 口頭. 最優秀口頭発表賞受賞.
 
国内学会・シンポジウムにおける発表
  • 浦野雪峰,松本涼子,河部壮一郎,田上響,大橋智之,藤原慎一.クチバシの骨質部形態が制限する角質の成長方向.日本古生物学会,早稲田大学,1月,2017年.ポスター.ポスター賞受賞
  • 松本涼子,スーザン・エバンス 四肢動物における口蓋歯の配列パターンとその機能について.日本古生物学会,福井県,6月,2016年.ポスター.
  • 浦野雪峰,松本涼子,河部壮一郎,田上響,大橋智之,藤原慎一. クチバシの骨質部とそれを覆う角質の成長方向の関係.日本古生物学会,福井県,6月,2016年.口頭.
  • 酒井佑輔,真鍋 真,伊左治鎭司,平山 廉,松本涼子,籔本美孝,松岡 篤.福井県大野市九頭竜地域の手取層群伊月層より産出する前期白亜紀生物群 .日本古生物学会,福井県,6月,2016年.口頭.
  • 松本涼子. 久慈層群玉川層(後期白亜紀)の地質と古生物について.日本古生物学会,福井県,6月,2016年.夜間小集会,口頭.
  • 松本涼子,Khisigjav Tsogthaatar. 明らかになりつつある謎の水生爬虫類Khurendukhosaurus(フレンドゥフサウルス属)の全身像.日本古生物学会.1月,2016年.口頭.
  • 松本涼子,平山廉,武川愛,吉田将崇,三塚俊輔,滝沢利夫,堤之恭.岩手県久慈市の久慈層群玉川層から産出したコリストデラ類.日本古生物学会,つくば市(産総研),6月,2015年.ポスター.
  • 中島保寿,松本涼子. 水棲爬虫類コリストデラの骨内リモデリングに見られる特異性.日本古生物学会,つくば市(産総研),6月,2015年.口頭.
  • 松本 涼子,2015. 淡水生爬虫類コリストデラ類における頸の動きの復元.日本古生物学会,豊橋市自然博物館,1月,2015年.口頭.
  • 浦野 雪峰,松本 涼子,河部 壮一郎,田上 響,藤原 慎一.2015.クチバシの骨の形態は角質の形態に制約を与えるか.日本古生物学会,豊橋市自然博物館,1月,2015年. 口頭.
  • 藤原 慎一,斎藤 浩明,岩間 由希,松本 涼子.モグラ科の特殊な胸郭構造は掘削のため?それとも側方型姿勢のため? 日本古生物学会,豊橋市自然博物館,1月,2015年.口頭.
  • 小川 琴奈,松本涼子.石川県白山市の下部白亜系桑島層より産出した生痕化石bromalite.日本古生物学会,豊橋市自然博物館,1月,2015年,ポスター.
  • 鈴木 大輔,松本 涼子. ワニの足関節の可動域. 日本古生物学会,九州大学. 6月. 2014年,口頭.
  • Matsumoto, R. 2013. 本邦初の吻部の長いコリストデラ類(爬虫類).日本古生物学会,横浜国立大学. 1月, 2013年, 口頭.
  • 藪本 美孝,真鍋 真,松本 涼子,坂田 智佐子,熊谷 賢.陸前高田市立博物館でレスキューされた魚類化石について. 日本古生物学会, 横浜国立大学. 1月, 2013年, ポスター.
  • 松本 涼子, 2012. 水生動物の捕食適応. Tokyo Vertebrate Morphology Meeting. 東京慈恵会医科大学, 12月, 2012年, 口頭.

 

展示(みせる)

2015年度 ミニ企画展: 生きた痕

2015年度 ミニ企画展: ワニのせなか

2014年度 特別展: どうする?どうなる! 外来生物 (展示解説書担当)

2013年度 ミニ企画展: ホネ学入門編

2013年度 特別展: 益田 一と日本の魚類学~魚類図鑑に生涯を捧げたDANDY~ (展示担当)

 

教育・普及(つたえる)

両生類・爬虫類のイメージとして、皆さん「小さなトカゲっぽい姿」という方が多いのではないでしょうか。しかし、脊椎動物の進化史を通してみると、現在私たちが見ている両生・爬虫類の多様性はほんの一部分です。例えば、大きさで見てみると、現生最大の両生類とし知られるオオサンショウウオは全長約1mですが、中生代に絶滅した両生類では5m近くまで巨大化し、大きな歯を持ったものもいました。ヒトが出現するよりもずっと昔からいた両生類や爬虫類は、長い時間、移り変わる地球環境の中、それぞれの時代、地域の生息環境にうまく適応し多様化と絶滅を繰り返し、現在では私たちが目にするようなトカゲ、カエルの様な姿となっていきました。現生種に限らず、両生・爬虫類の多様な形態と適応進化の面白さを博物館での活動を通して皆さんに伝えていきたいと思います。

普及講演 2014〜2016年

  • 四肢動物の補食様式の進化について.広島市安佐動物公園.2016年,11月
  • 「現生動物を使った絶滅ハ虫類の復元」サロン・ド・小田原(対象;一般)2014年,12月
  • 「桑島層の淡水爬虫類」石川県白山市化石調査団特別講演(対象:一般)2014年,8月
  • 「ワニのようでワニではないコリストデラ類の発見」石川県白山市ライン祭 特別講演(対象:中学生)2014年,8月
  • 「学芸員になるまで」サロン・ド・小田原(対象:一般)2014年,4月
  • 「日本の発掘現場 –恐竜時代の動物達− 」相模大野ユニコムプラザ(対象:一般)2014年,3月
  • 国立科学博物館特別展(大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異)ギャラリートーク(対象:一般)2014年1月,2月