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学芸員の松本が中生代の新種のトカゲに関する共著論文を発表し、記者発表を行いました

2015年8月28日更新

ロンドン大学スーザンエバンス教授と学芸員の松本は、石川県白山市桑島に分布する桑島層(白亜紀前期)から新種のトカゲ3種を発見し、英国の国際誌『パレオントロジア エレクトロニカ』に論文を掲載しました。
また、この研究成果について、8月28日に石川県白山市白山恐竜パーク白峰において記者発表を行いました。

詳細
石川県白山市桑島に分布する前期白亜紀の地層である手取層群桑島層(約1億3000万年前)から発見されているトカゲ類の化石に関して日本とイギリスの研究者が共同で調査してきました。これまでに同地層からは、原始的なモササウルス類(カガナイアス属)や、世界最古の植物食のトカゲ(クワジマーラ属),動物食のトカゲ(サクラサウルス属)などが見つかっていたましたが、今回新属新種のトカゲ類3種の存在が明らかになりました、ハクセプス・インベリス(Hakuseps imberis)、アサガオラケルタ・トリカスピデンス(Asagaolacerta tricuspidens)、クロユリエラ・ミキコイ(Kuroyuriella mikikoi)と命名しました。加えて新種となる可能性が高いトカゲ類が2~3種いたと考えられるため、これまでに発見されている種と合わせて、白亜紀前期の白山市には、およそ8~9種の多様な形態をしたトカゲが生息していたと思われます。本研究により、桑島層は白亜紀前期のアジアの中でもトカゲの多様性が非常に高い豊かな動物相であったことが明らかになりました。

ハクセプス・インベリス(Hakuseps imberis)の下顎

図1.ハクセプス・インベリス(Hakuseps imberis)の下顎

学名の意味: 「シャワーのような白山トカゲ」
新属名:「Haku」白山より、「-seps」はギリシャ語でトカゲの意。
新種小名:「imberis」インベリスはラテン語でシャワーを意味しており、 シャワーヘッドのようなユニークな形態の顎に因んで命名。
標本: SBEI 2086

アサガオラケルタ・トリカスピデンス(Asagaolacerta tricuspidens)の復元画(菊谷詩子さん制作)

図2.アサガオラケルタ・トリカスピデンス(Asagaolacerta tricuspidens
の復元画 (菊谷詩子さん制作)

学名の意味:「3咬頭の歯をもつ アサガオトカゲ」
新属名:「Asagao」白山市の花アサガオ。「lacerta」はラテン語でトカゲの意。
新種小名:後方の歯(-dens)の先端が3つ(tri)の山(cusp)になっている特徴から命名
標本: SBEI 1566

アサガオラケルタ・トリカスピデンス(Asagaolacerta tricuspidens)の復元画(菊谷詩子さん制作)

<図3.クロユリエラ・ミキコイ(Kuroyuriella mikikoi)の頭骨

学名の意味:「ミキコさんのクロユリちゃん」
新属名:「Kuroyuri」クロユリは石川県の花、「-ella」はラテン語で「小さい」を意味する接尾辞(ニュアンスとして~ちゃん)。
新種小名:「mikikoi」は、調査団員として長年化石のクリーニングを行なってきた山口ミキ子さんの 高い技術に敬意を表して献名。
標本: SBEI 1510

論文
Evans, SE.,and Matsumoto, R. 2015. An assemblage of lizards from the Early Cretaceous of Japan. Palaeontologia Electronica, 18.2.36A.