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学芸員の渡辺が新種のハチを発表しました

2017年3月9日更新

当館学芸員の渡辺が、本州と四国で得られた寄生蜂の1種を分類学的に検討し、新種として命名、記載した論文が、2017年2月28日発行の当館研究報告に掲載されました。記載した、種や属といった分類単位(タクソン)の情報は以下の通りです。

 

Deuteroxorides breviterebratus Watanabe, 2017(新種)

標準和名:モトグロヒメクチキヒメバチ

分布:本州(栃木県、群馬県、埼玉県)、四国(高知県)

タイプ産地:栃木県日光市

種小名は同属他種に比べて短い産卵管に、標準和名は各脚の基節が黒色であることに、それぞれ由来します。

 

 本種が含まれるクチキヒメバチの仲間は、枯れ木に集まる寄生蜂です。この仲間は1920年代にまとまって研究がされて以降、いくつか知見が追加されたのみでしたが、渡辺が2011年に同定の手引きを公表して以降、標本の集積が急速に進み、今回の検討によって北海道から九州に生息する種の分類学的整理がひと段落しました。今後は本種を含む各種クチキヒメバチについて、詳細な生態や分布の解明が望まれます。

 なお、本種は北関東では比較的よく採集されるクチキヒメバチであるため、神奈川県からも今後発見される可能性が高いと考えられます。

 

 本研究で使用された標本のうち、ホロタイプ(KPM-NK 5006273)とパラタイプの大半(KPM-NK 5006274~5006280)は当館に収蔵されています。

 

※KPM-NKは当館の資料番号であることを示す記号です。

 

モトグロヒメクチキヒメバチのメス

図.モトグロヒメクチキヒメバチ
Deuteroxorides breviterebratus Watanabe, 2016のメス
(ホロタイプ:KPM-NK 5006273)

 

論文詳細

Kyohei Watanabe (2017) Revision of the genus Deuteroxorides Viereck, 1914 (Hymenoptera, Ichneumonidae, Poemeniinae), from Japan.
Bulletin of the Kanagawa Prefectural Museum (Natural Science), (46): 101-106.
PDFファイル(2,450KB)

 

引用文献

渡辺恭平,2011.日本産クチキヒメバチ亜科(ヒメバチ科)についての覚書.神奈川虫報(175): 1-18.(本報文中でDeuteroxorides sp. とした種が本種です)