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学芸員の瀬能による箕作佳吉に関する講演が新聞記事になりました

2017年5月6日更新

学芸員の瀬能が4月23日に岡山県津山市の津山洋学資料館で「箕作の名をもらった魚たち」をテーマに講演しました。その様子が、「津山朝日新聞」(4月26日付け)と「山陽新聞」(4月27日付け)に掲載されたので、ここにその内容を紹介します。この講演は、同資料館で開催している春季企画展「箕作家の人々―秋坪の4人の息子たち―」(3月4日~6月18日)に合わせて企画されたものです。

 箕作佳吉(1858~1909)は、モース、ホイットマンに次ぎ、日本人として初めて東京帝国大学の動物学教授となった人物です。日本動物学会を結成し、日本最初の臨海実験所である三崎臨海実験所の初代所長に就任するなど、日本の動物学の黎明期を支えたことから、日本動物学の父と呼ばれています。佳吉は、飯島 魁や五島清太郎、丘 浅次郎など、数多くの動物学者を育てたことや、当時のアメリカやヨーロッパの研究者とも直接、間接に交流があったことから、佳吉に因んで命名された学名や標準和名を持つ生物が多数知られています。

 今回、学名のデータベースや多数の文献を調査した結果、佳吉に因んで命名された生物の数は、魚や専門だった海産動物だけでなく、昆虫や植物など2界13門21綱54分類群に及んでおり、その内、2界13門18綱41分類群が現在も有効とされていました。また、命名された年代は、1892年に最初の命名がなされてから2006年に至るまで、100年以上に渡ることもわかりました。佳吉は分類群を越え、国境や時代を越えて、今なお影響を与えて続けている稀有な動物学者と言えるでしょう。

 

ミツクリザメ

ミツクリザメMitsukurina owstoni Jordan, 1898, KPM-NI 23439, 千葉県金谷沖産

標準和名の“ミツクリザメ”と属の学名の“Mitsukurina”は佳吉、種の学名“Mitsukurina owstoni”は標本を入手し、佳吉を通じて東京帝大に寄贈したアラン・オーストン氏に因む。命名者のジョルダンは、佳吉を高く評価し、尊敬していたことから、属の学名を佳吉に因んで命名した。種の学名は佳吉の希望によりオーストンの名が付けられた。本種が属するミツクリザメ科 Mitsukurinidaeは、その標準和名は佳吉に因んだとみなせるが、学名の“Mitsukurinidae”は属の学名“Mitsukurina”から命名法上自動的に生成されたものなので、佳吉に因んだとは言えない。

 

綱別分類群数の円グラフ

佳吉に因んで命名された有効学名および標準和名を持つ綱別分類群数
 

年別学名数の棒グラフ

佳吉に因んで命名された年別学名数