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学芸員の渡辺が新種のハチを発表しました

2019年7月15日更新

当館学芸員の渡辺が、キノコを食べるハエに寄生する寄生蜂であるハエヒメバチ亜科の2属、AniseresCatastenusを分類学的に検討しました。その結果、1種の日本新産種と1種の新種を含む3種を日本から確認し、後者について命名、記載しました。この度、その成果が、日本昆虫分類学会の英文誌「Japanese Journal of Systematic Entomology」に掲載されました。論文の概要は次の通りです。

 

【論文の概要】

今回扱ったハエヒメバチ亜科の寄生蜂は、分類が特に遅れているヒメバチの一群で、国内の多様性はほとんど調べられていません。
Aniseresは属レベルで日本から未知のグループでしたが、北海道産の標本を見出しました。検討の結果、2007年にロシアとフィンランドから得られたわずかな標本で記載されたA. subacticus Humala, 2007という種であることが判明し、日本から記録しました。
Catastenusは従来C. femoralis Förster, 1871という種が、海外の研究者によって単に「日本」とだけ書かれた形で報告されていました。この種については、証拠となる標本の所在もわからず、その後追加の標本を確認することもできませんでしたが、今回の研究で新たに、北海道と山梨県から新種を発見することができました。新種の概要は以下の通りです。

 

Catastenus japonicus Watanabe, 2019

 

和名は現時点ではありません。北海道と本州に分布しますが、珍しい種のようで、4個体の標本が知られるのみです。種小名は日本にちなみます。当館には山梨県鳴沢村で採集されたパラタイプ(KPM-NK 75541)が収蔵されますが、これは唯一のオスの個体となります。

※KPM-NKは当館の資料番号であることを示す記号です。

 

図1-4.Aniseres subacticus Humala, 2007のメス(図1, 2)と
     Catastenus japonicus Watanabe, 2019のメス(図3, 4, ホロタイプ)、
     図1と3は全形、図2と4は前面から見た頭部(いずれの標本も農業環境技術研究所収蔵)

 

論文詳細

Kyohei Watanabe (2019) Review of the genera Aniseres Förster, 1871 and Catastenus Förster, 1868 (Hymenoptera, Ichneumonidae, Orthocentrinae) from Japan.

Japanese Journal of Systematic Entomology, 25(1): 81-85.