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学芸員の渡辺が編集に携わった日本産寄生蜂の目録が出版されました

2020年3月19日更新

ある地域に産する生物の種名(学名や和名)や原記載※1、異名※2、分布などの情報をリスト化したものを目録といい、自然史研究における基礎資料としてきわめて重要なものです。学芸員の渡辺が所属する日本昆虫学会外部リンクでは、日本に棲息する昆虫を対象とした「日本昆虫目録」の作成を進めており、この度ハチ目の昆虫のうち、有錐類に属する寄生蜂(以後、寄生蜂)を扱った第9巻第2部が出版されました。この目録は、日本の寄生蜂について第一線で活躍する分類学者が総力を結集し、2017年末までに日本から記録された寄生蜂をまとめあげたもので、結果38科1079属4205種の寄生蜂が日本に産することが明らかとなり、種名情報や分布情報が整理されました。これらの情報は、分類学、生態学、生物地理学、応用昆虫学、保全生態学など、あらゆる学問分野において基礎情報となるため、今後は様々な場面でこの目録が活用されることが期待されます。

渡辺は本目録の編集を担当する編集委員として、神戸大学の前藤薫博士とともに全体の編集作業にあたりました。また、渡辺は編集委員代表として本書の前書きの、著者としてセダカヤセバチ科、ヤセバチ科、コンボウヤセバチ科、ツノヤセバチ科、カギバラバチ科(山根正気博士と共著)の執筆にもあたりました。

 

書誌情報:日本昆虫目録編集委員会編, 2020. 日本昆虫目録 第9巻 膜翅目(第2部 細腰亜目寄生蜂類).

i-xxvi + 693 pp. 櫂歌書房, 福岡.

 

※1 属や種などが最初に記載された論文や書籍の情報。タイプの特徴が記載されているほか、生物の学名は先に命名された方が有効となることからも重要であり、特に分類学を研究する場合は必ず調べるべき情報とされます。

※2 同じ属や種などに対し、複数の学名があてられた場合や、複数の種に同じつづりの学名をあててしまった場合、一つ(たいていは一番古くに命名されたもの)を除き、異名として無効(使われない学名)になります。しかしながら、異名とされた種が独立種となることもあるため、この情報を調べることも重要です。