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渡辺恭平 (WATANABE, Kyohei)

渡辺恭平 (WATANABE, Kyohei)

渡辺 恭平 (WATANABE, Kyohei)の写真

氏名 渡辺恭平 (WATANABE, Kyohei)
所属 動物・植物グループ 主任学芸員
専門 昆虫(昆虫分類学、多様性情報学)
学位 博士(農学)
E-mail watanabe-k@nh.kanagawa-museum.jp
昆虫で最も巨大な多様性をもつハチの一群である「寄生蜂(きせいほう・きせいばち)」について、分類学を中心に研究を行っています。また、分類学者として、寄生蜂の興味深い生態を調べる研究者や、農林業の現場において天敵昆虫を調べる方々に協力をしています。収蔵標本のデータベース化による利用の促進や、神奈川県と周辺地域の昆虫相の調査や保全活動にも取り組んでいます。

2022年4月26日 更新

 

プロフィール

1986年生まれ。神奈川県育ち。幼稚園児の時におおきなノコギリクワガタと出会い、その強烈なカッコよさの虜になり、昆虫に興味を持つ。以後、今に至るまで「昆虫少年」。蝶やカミキリムシ、ゴミムシを中心に昆虫全般を追い続けるが、大学入学後は寄生蜂(きせいほう、きせいばち)、特にヒメバチの研究に没頭する。2013年4月から当館学芸員。趣味は鉄道に乗ること(乗り鉄)と料理(作る方も、食べる方も)。

コアシナガバチ(右)を狙う アシナガバチヤドリトガリヒメバチ(左)の画像

コアシナガバチ(右)を狙う
アシナガバチヤドリトガリヒメバチ(左)

人間を刺すので怖がられるアシナガバチ。実は、このハチが恐れるハチが自然界にはいます。このヒメバチは巣のそばでじっとしていますが、巣を守るアシナガバチの隙をついて巣に飛び乗り、アシナガバチの幼虫に寄生します。寄生されたアシナガバチの幼虫はこのヒメバチに殺されてしまいます。この光景、実は身近な場所でも見られます。ハチが恐れるハチもいるのです。

ホウネンダワラチビアメバチの画像

ホウネンダワラチビアメバチ

小さなハチですが、我々の主食であるイネを食い荒らすイモムシに寄生し、食べてしまいます。和名の「ホウネンダワラ」は、俵型をしたこのハチの繭のことで、これが田んぼでたくさん見られると、豊年になるといわれていたことに由来します。このような昆虫を「益虫」といいます。

資料収集(あつめる)

日本全国各地にフィールド調査(昆虫採集)へ出かけています。また、日本国内や海外の研究機関や博物館に標本を調べるためや、展示や研究方法について学ぶために調査に行くこともあります。

専門の寄生蜂については、全世界の種を対象にコレクションを構築しています。主なターゲットであるヒメバチ科では学生時代より構築した10万点をゆうに超える標本があり、この中にはおそらく世界でここにしかない種や、膨大な量の新種(専門的には「未記載種」といいます)が含まれています。また、私や国内外の研究者が新種として命名した(新種に新しい学名をつけることを「記載」といいます)種も、記載時に使用した標本(「タイプ標本」といいます)と一緒に多数含まれています。

神奈川県の昆虫については基本的に「なんでも」収集していますが、蝶や甲虫といった人気のあるグループに比べ、ハチ、ハエやカメムシなど、愛好者や研究者が少ない、俗にマイナー昆虫とよばれるグループを重点的に収集しています。


寄生蜂の標本の画像

寄生蜂の標本

標本は体系的に整理してゆきます。寄生蜂のコレクションは私自らが専門の研究者として整理しており、参照標本コレクションとして多くの研究者に利用されています。

ゴキブリの標本の画像

ゴキブリの標本

多くの人に忌み嫌われるゴキブリは代表的なマイナー昆虫です。昆虫愛好家もほとんど採集しないため、意外に標本はありません。人家に出現するゴキブリはごく一部であり、多くは自然界の分解者です。標本を集めていくと、昔多く最近減った種や、最近増えた種、美しい種など、いままで見えなかったことが見えてきます。

当館には神奈川県立博物館時代から蓄積された、膨大な量の昆虫標本が収蔵されています。これらの数は、正確なカウントは完了していませんが、おおよそ60万点と見積もられています。このコレクションの構築は、学芸員だけでなく、歴代のボランティアの方々の多大な協力がなければ不可能であり、現在も協力しながら整理を進めています。この貴重なコレクションを整理し、適切に保管しつつ、必要な場面で活用してもらい、資料の価値を高めることも学芸員の仕事です。
 

山登コレクションの標本の画像

山登コレクションの標本

山登コレクションは、山登明彦氏のご遺族より寄贈された遺品を、当館ボランティアの方々が10年かけて標本化した巨大なコレクションです。学芸員やボランティアだけでなく、外部の専門家の協力を得て整理や種名の確定(同定といいます)をし、博物館のデータベースに登録しています。また、一部のデータは国際的な多様性情報のデータベースであるGBIFにも提供しています。

調査・研究(しらべる)

寄生蜂というハチのなかまを中心に研究をしています。特に寄生蜂の中で最も種数が多いヒメバチ科を専門としており、世界中の研究者と協力して多様性の解明を進めています。このハチは最も身近な昆虫のひとつであり、全ての昆虫の中で最も種数が多いグループのひとつです。日本からは一つの科でありながら1700種を超える種が記録されており、これは日本産のチョウの全種類の5倍近くに達する数ですが、未だにわかっていないことだらけです。当然新種も多く、私自身もいままでに144種を新種として記載し、その中には神奈川県をタイプ産地とする種が少なくはありません。

寄生蜂は他の昆虫に寄生して食べてしまうため、生態系の調節にとても重要な生き物です。その中には害虫の天敵として有益な種も存在し、実際に農産物の生産現場や森林の害虫防除で彼らが重要な仕事をしています。そのため、私はこれらハチの生態や機能、利用方法を研究している方々と協力し、昆虫の研究を通して 人間と自然がより良い関係で共存できることを目指しています。


タンザワマルヒメバチの画像

タンザワマルヒメバチ
Tanzawana flavomaculata
Watanabe & Kasparyan, 2015
のホロタイプ標本

丹沢山地でブナを食害するブナハバチの天敵昆虫として、2015年に新属新種で記載したヒメバチで、属名は発見された丹沢山地(タイプ産地)にちなみます。寄生蜂は神奈川県からも多数の新種が見つかる学問的にも魅力的な分類群です。

タンザワマルヒメバチの新種記載に用いた図(画像)

タンザワマルヒメバチの新種記載に用いた図

新種の特徴を世界の人にわかりやすく伝えるためには、図を描く技術や、写真撮影の技術も要求されます。図を描く楽しさや重要性については、2015年度特別展「生き物を描く~サイエンスのための細密描画~」で解説しました。

寄生蜂の研究のために収集した世界中の文献(画像)

寄生蜂の研究のために収集した世界中の文献

新種を記載するときは、その対象が含まれるグループの全世界の種との比較し、違いを述べる必要があります。様々な言語で書かれた論文や世界各地の博物館に収蔵されている標本を調べながら、新種の根拠を整理・記述してゆきます。このように、自然史分野の研究では過去の知見を調べる作業が不可欠であり、標本とともに、文献の収集や保管も要求されます。そして、博物館に両者がセットあることが、調査研究を行う上で重要です。

フィールドでの調査時の写真フィールドでの調査

花に来るハチを採集しているところ。フィールド調査は、昆虫をはじめ、様々な生き物と出会える至福のひとときです。この花では神奈川県2例目となるオデコフタオビドロバチが採集されました。

北海道大学での標本調査の様子(写真)

北海道大学での標本調査

標本を集めるだけでなく、その後きちんと整理し、同定することが必要です。そのため、ヒメバチのような同定が難しい分類群では正確に同定された標本を観察し、区別点を学ぶための標本調査が欠かせません。集めた資料の価値を高めることも学芸員の仕事です。

 

当館収蔵の昆虫標本コレクションを整理しながら、それらの属性情報(いつ、だれが、どこで採集したのか)を目録とし、情報の公開を進めています。これは資料の存在を世に知らせるだけでなく、各地で行われている昆虫相の解明に寄与します。また、整理や利用の過程で発見される新知見についても、寄生蜂であるなしに関係なく、報告を行っています。

 

苅部学芸員とともに、問い合わせや貸し出し依頼に対応し、様々な研究者、研究機関が実施する昆虫の研究に協力しています。また、専門分野を生かして共同研究を実施し、分野を横断した研究活動も行っています。

 

学術論文(査読あり)(昨年および今年に受理・出版されたもの)

  • Morishita, S. & K. Watanabe, 2022. Revision of the genus Woldstedtius Carlson, 1979 (Hymenoptera: Ichneumonidae: Diplazontinae) from Japan.Deutsche Entomologische Zeitschrift, in press.

  • Sheng, M-L., K. Watanabe & R-F. Huang, 2022. First Oriental record of genus Neostroblia Heinrich (Hymenoptera, Ichneumonidae, Ctenopelmatinae) with descriptions of one new species. Zootaxa, 5115(2): 274-280.

  • Watanabe, K., 2021. The genus Syntactus Förster, 1869 (Hymenoptera: Ichneumonidae: Ctenopelmatinae) new to Japan, with description of two new species. Japanese Journal of Systematic Entomology, 27(2): 186-190.

  • Watanabe, K., 2021. Generic position of Genarches angularis Uchida, 1952 (Hymenoptera: Ichneumonidae: Ctenopelmatinae). Japanese Journal of Systematic Entomology, 27(2): 180-181.

  • Taniwaki, T., K. Watanabe, H. Komine, K. Tochigi, M. Yamane & S. Koike, 2021. Response of specialist and generalist predators to nonprogressive annual fluctuations in herbivorous insect populations. Biological Control, online first.

  • 大澤剛士・三橋弘宗・細矢剛・神保宇嗣・渡辺恭平・持田誠, 2021. GBIF日本ノードJBIFの歩みとこれから:日本における生物多様性情報の進むべき方向. 保全生態学研究, 26(2): online first

  • Watanabe, K. & R. Matsumoto, 2021. Revision of the genus Xanthopimpla Saussure, 1892 (Hymenoptera, Ichneumonidae, Pimplinae) from Japan. Deutsche Entomologische Zeitschrift, 68(2): 269-297.

  • 小林純子・渡辺恭平, 2021. ゴキブリヤセバチ(ハチ目,ヤセバチ科)の秋田県からの新分布記録. 昆蟲ニューシリーズ, 24(2): 34-35.

  • Morishita, S. & K. Watanabe, 2021. Review of the genus Diplazon Nees, 1819 (Hymenoptera: Ichneumonidae: Diplazontinae) from Japan. Zootaxa, 4964(1): 103-122.

  • Riedel, M. & K. Watanabe, 2021. Contribution to the genus Coelichneumon Thomson in Japan (Hymenoptera, Ichneumonidae, Ichneumoninae). Zootaxa, 4948(4): 501-545.

学術論文(査読無し)、報文、短報など(昨年および今年に受理・出版されたもの)

  • Watanabe, K., 2022.Distribution Records and Re-descriptions of Some Japanese Species of the Subfamily Phygadeuontinae (Hymenoptera, Ichneumonidae). Bulletin of the Kanagawa Prefectural Museum (Natural Science), (51): 61-72.

  • 渡辺恭平,2022.日本産トガリヒメバチ亜科(ハチ目、ヒメバチ科)6種の新分布記録. 神奈川県立博物館研究報告(自然科学)(51): 105-107.

  • 渡辺恭平,2022.神奈川県初記録のヤナギヒメハナバチを西丹沢で採集. 神奈川虫報,(206): 78.

  • 渡辺恭平,2022.日本産キイロヒラタヒメバチ属Xanthopimplaの同定資料. 神奈川虫報,(206): 17-22.

  • 渡辺恭平,2022.南足柄市でヒメカマキリを採集. 神奈川虫報,(206): 78.

  • 渡辺恭平・長瀬博彦, 2022. 日本産ハナバチ類の同定の手引き(コハナバチ科の一部、ハキリバチ科、ミツバチ科キマダラハナバチ属を除く). 神奈川県立生命の星・地球博物館特別出版物第1号, ii+120 pp. 神奈川県立生命の星・地球博物館, 小田原.

  • 渡辺恭平・廣瀬勇輝・山根正気, 2021. 沖縄島で確認されたクロスズメバチ名義タイプ亜種Vespula flaviceps flaviceps (Smith, 1870)(ハチ目,スズメバチ科)のオス個体と本亜種の野外定着の可能性. Nature of Kagoshima, 48: 153–160.

  • 河野太祐・渡辺恭平・三田敏治, 2021. 大分県から初めて得られたサトウセイボウモドキ(ハチ目:セイボウ科). 大分自然博物誌-ブンゴエンシス-, 4: 54-55.

  • 渡辺恭平,2021.大井町でチビヒメハナバチの営巣地を確認. 神奈川虫報,(205): 74-75.

  • 渡辺恭平,2021.日本産マルズヒメバチ亜科Xoridinae(ハチ目,ヒメバチ科)の同定メモ. 神奈川虫報,(205): 31-40.

  • 石川美智子・渡辺恭平,2021.鳥類2種によるムネアカハラビロカマキリ卵鞘の捕食. 神奈川虫報,(205): 70-71.

  • 渡辺恭平,2021.神奈川県立生命の星・地球博物館に寄贈された平野幸彦コレクションのハサミムシ目、ナナフシ目、カマキリ目、ゴキブリ目、チョウ目、トビケラ目、アミメカゲロウ目、ハエ目、ハチ目の記録. 神奈川虫報,(204): 66-73.

  • 森下俊介・渡辺恭平・山内健生, 2021. 富山県においてマレーゼトラップにより採集されたヒメバチ科(その2). つねきばち, (36): 47-57.

  • Watanabe, K., 2021. Taxonomic and zoogeographic study of the Japanese Phygadeuontinae (Hymenoptera, Ichneumonidae), with descriptions of 17 new species. Bulletin of the Kanagawa Prefectural Museum (Natural Science), (50): 55-136.

  • 渡辺恭平・川島逸郎, 2021. 神奈川県箱根町におけるミズバチ Agriotypus gracilis Waterston, 1930(ハチ目,ヒメバチ科)の再発見. 神奈川自然誌資料, (42): 29-32.

  • 志村映実・櫻井大和・渡辺恭平・中濱直之・奥田真未・岩元明敏・岩崎貴也, 2021. 神奈川大学湘南ひらつかキャンパスにおける地表徘徊性甲虫相と建設以前からの変化. 神奈川自然誌資料, (42): 77-86.

  • 渡辺恭平・瀬能 宏, 2021. 神奈川県小田原市で確認されたアシグロアオゴミムシ Chlaenius (Pachydinodes) leucops (Wiedemann, 1823)(コウチュウ目,オサムシ科). 神奈川自然誌資料, (42): 65-70.

学会等での発表(最近行ったもの)

  • 志村映実・渡辺恭平・中濱直之・岩元明敏・加藤美砂子・岩崎貴也, 2022年3月14日. 環境指標生物としてのオサムシ科甲虫の再評価:メタ解析による環境嗜好性の定量的評価. 日本生態学会第69回全国大会(ポスター発表 P1-048). オンライン開催

  • 渡辺恭平, 2022年2月26日. 同定依頼:する側とされる側がやるべきこと. 第38回自然史標本情報発信に関する研究会:分類群同定の基礎と専門家・分類学者との連携. オンライン開催

  • 志村映実・渡辺恭平・中濱直之・岩元明敏・加藤美砂子・岩崎貴也, 2021年12月4日. 森林・草地にみられるオサムシ科甲虫の環境嗜好性についての定量的評価の試み. 日本甲虫学会第11回大会(共催: 昆虫分類学若手懇談会・日本昆虫分類学会).オンライン開催.

  • 大西 亘・渡辺恭平, 2020年3月8日(現地開催中止・講演要旨発表のみ). 生態学者こそ、博物館標本を利用しよう!.中濱直之・岩崎貴也・長太伸章企画,シンポジウム S29 分子生態学における博物館標本の活用.日本生態学会第67回全国大会.名城大学, 名古屋.

  • 渡辺恭平・向井裕美・北島博, 2018年9月10日. ナガマドキノコバエ類に寄生するヒメバチ科2種の分類学的検討. 日本昆虫学会第78回大会, 名城大学, 名古屋.

  • 渡辺恭平, 2019年9月16日. 博物館における参照標本コレクションの構築と活用 ーゼロから始めてわかったこと-. 日本昆虫学会第79回大会, 弘前大学, 弘前.

  • 向井裕美・北島博・渡辺恭平・末吉昌宏, 2019年9月6日. 菌床きのこ害虫ナガマドキノコバエ類の天敵寄生蜂の国内分布と寄主範囲. 日本きのこ学会第23回大会, 武庫川女子大学, 兵庫県.[優秀ポスター賞受賞]

受賞

  • 日本昆虫学会「あきつ賞」「Information Station of Parasitoid Wasps」渡辺恭平(2012年9月)
  • 神奈川県「教育委員会職員功績賞(個人)」「寄生蜂の研究ならびに博物館収蔵資料の活用に対する表彰」渡辺恭平(神奈川県庁, 2015年11月18日)
  • 日本昆虫学会「若手奨励賞」「ヒメバチ科を中心とする寄生蜂類(ハチ目)の分類学的研究」渡辺恭平(2018年9月8日)

 →全研究業績のリストは渡辺が運営するウェブサイトにあります。

研究助成金獲得状況

  • 日本学術振興会特別研究員奨励費 (2011~2012年度) 研究代表者
    研究課題名:農業生態系におけるヒメバチの多様性・機能解明と同定支援・情報システムの構築 (課題番号:11J08527)
  • 日本学術振興会科学研究費 若手研究B (2014年~2016年度) 研究代表者
    研究課題名:東アジア島嶼域におけるヒメバチ科寄生蜂の多様性とその分布特性の解明 (課題番号:26840134)
  • 日本学術振興会科学研究費 若手研究B (2017年~2020年度) 研究代表者
    研究課題名:菌食性昆虫捕食寄生蜂の多様性と寄生蜂-寄主-キノコ相互作用系の解明 (課題番号:17K15185)
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究A(一般)(2019年~2022年度 予定) 研究分担者(研究代表者:前藤 薫)
    研究課題名:次世代技術と自然史財を高度に活用した広義寄生蜂の多様性情報基盤の構築(課題番号:19H00942)

所属学会および研究会

  • 日本昆虫学会(代議員および日本昆虫目録編集委員)
  • 日本昆虫分類学会
  • 日本動物分類学会
  • 神奈川昆虫談話会(事務局幹事)、日本蜂類同好会、長翅目談話会
  • JBIFワーキンググループ

展示(みせる)

2022年度企画展の主担当として「超(スーパー)普通種展」を計画しています。身近に普通にみられる(=珍しくない)生き物を対象として、博物館に収蔵されている普通種の標本をフル活用し、あらゆる角度から普通種の面白さや大切さを紹介する予定でいます。

過去に担当した展示

2018年度ミニ企画展示「昆虫採集連続講座 活動報告展 ~講座受講者が作成した昆虫標本~」(主担当)
2017年度ミニ企画展示「『里蜂-さとばち-』古民家とハチはともだち」(主担当)
2017年度企画展「レッドデータの生物 -知って守ろう 神奈川の生き物たち-」(分担担当)
2015年度特別展「生き物を描く ~サイエンスのための細密描画~」(主担当)
2014年度特別展「どうする?どうなる! 外来生物 とりもどそう 私たちの原風景」(分担担当)
2014年度ミニ企画展示「2014年度昆虫採集講座 活動報告 ~学生が作成した昆虫標本~」(主担当)
2014年度ミニ企画展示「市街地と里山の外来生物」(分担担当)
2014年度ミニ企画展示「自然科学のとびら77号とその関連資料の紹介」(分担担当)
2014年活動報告展「2013年度の学芸員の活動」(分担担当)

展示の様子(画像)

特別展「生き物を描く ~サイエンスのための細密描画~」展示室の様子

展示の準備の様子(写真)

特別展「生き物を描く ~サイエンスのための細密描画~」準備風景

2015年度特別展「生き物を描く ~サイエンスのための細密描画~」 菌類担当の折原学芸員とともに、「科学的な生物画」をテーマに、サイエンスにおける生物画の重要性や貢献を、学芸員の描いた作品やプロの作品を交えながら展示しました。

2014年度ミニ企画展示の様子(画像)

ミニ企画展示 「2014年度昆虫採集講座 活動報告 ~学生が作成した昆虫標本~」展示の様子

 

教育・普及(つたえる)

昆虫採集全般が得意なため、昆虫採集の仕方や標本の作り方、ものの調べ方や研究の楽しみ方について、わかりやすくお伝えできればと考えております。また、自身の調査研究活動に基づく、オリジナリティがある教育普及活動を実践できるよう、心がけています。

  • 博物館や友の会の行事と通して、昆虫の面白さを伝える活動をしています。特に、昆虫に興味を持つ子供やその保護者を対象とした行事を行っています。主な行事は以下の通りです。

     

    昆虫採集連続講座:(講座実施時に)小学5年生から高校生の児童・生徒が対象。4年に一度実施(2022年度の次は2026年度を予定)。複数回の連続講座を通して、少数精鋭で徹底的に昆虫について学びます。昆虫に対して相当な熱意がある人向けの、専門的な講座です。

     

    昆虫観察会:(講座実施時に)小学3年生以上の児童、生徒およびその保護者が対象。昆虫採集連続講座がない年に実施。単発の観察会で、県内の里山を散策します。野山を歩く体力がある方であれば、初心者から参加できます。

     

    夏休み昆虫ひろば:すべての方が対象。昆虫採集連続講座がない年に実施。単発の室内行事で、夏休みに1~2回実施します。出入り自由で、参加するスタッフに応じて内容は変わりますが、初心者から参加できます。

     

    児童・生徒の保護者以外の大人の方は、博物館友の会「里山むしてくクラブ」が主催する観察会等にご参加ください。また、小学2年生以下のお子さんについては、後述の公園でのイベント等にご参加ください。
  • 県立おだわら諏訪の原公園環境省箱根ビジターセンターのイベントと連携し、公園をフィールドにして、幼児~小学生とその保護者を対象とした昆虫の観察会を年に数回、行っています。
  • 神奈川昆虫談話会の事務局として会の運営を行っています。本会は60年以上の歴史をもつ昆虫愛好家の集まりで、小学生~社会人まで、昆虫に興味がある方はどなたでも入会できます。博物館では年に3回例会を行っており、会の活動に興味がある方の例会見学は随時行っています。
  • 学校の課外学習や博物館実習、県内を中心に活動する市民団体の昆虫に関する行事に、講師等として参加・協力しています。
  • 情報が少なく、難しいグループである寄生蜂についてウェブサイト(http://himebati.jimdo.com/およびhttp://parasitoidwasp-db.jimdo.com/)を用いて情報普及を行っております。これは教育普及活動としてだけでなく、「生物多様性情報学」という、最近注目されている学問に関連した研究活動でもあります。
  • 昆虫についての質問、ボランティア活動、神奈川昆虫談話会のことなど、随時メールで質問や相談を受け付けています。

普及的著作(最近のもの)

  • 渡辺恭平, 2022. トゲアシヒメハナバチ. 広報おおい(大井町広報誌), 679: 24.

  • 渡辺恭平, 2022. 学芸員の雑記帳(5):側溝でできる宝探し. 神奈川県立生命の星・地球博物館友の会通信115号, 6.

  • 渡辺恭平, 2022. 良い標本・コレクションとは何か. 花蝶風月(神奈川昆虫談話会連絡誌), 179: 4-5.

  • 渡辺恭平, 2022. 学芸員の雑記帳(4):シロスジフデアシハナバチのなぞ. 神奈川県立生命の星・地球博物館友の会通信114号, 4.

  • 渡辺恭平, 2022. オオトビサシガメ. 広報おおい(大井町広報誌), 677: 20.

  • 渡辺恭平, 2021. ウスタビガ. 広報おおい(大井町広報誌), 674: 16.

  • 渡辺恭平, 2021. 学芸員の雑記帳(3):セイタカアワダチソウの花に来るハチたち. 神奈川県立生命の星・地球博物館友の会通信113号, 10-11.

  • 渡辺恭平, 2021. 春から初夏の野山でヒメハナバチを探して. 自然科学のとびら, 27(3): 22-23.

  • 渡辺恭平, 2021. チャイロスズメバチ. 広報おおい(大井町広報誌), 671: 16.

  • 渡辺恭平, 2021. 学芸員の雑記帳(2):樹液酒場の隠れた主役. 神奈川県立生命の星・地球博物館友の会通信112号, 5-6.

  • 渡辺恭平, 2021. ナラ枯れで激変する県下の里山環境~普通種が採れなくなる?~. 花蝶風月(神奈川昆虫談話会連絡誌), 178: 3-5.

  • 渡辺恭平, 2021. 良いラベルとは何か. 花蝶風月(神奈川昆虫談話会連絡誌), 178: 2-3.

  • 渡辺恭平, 2021. ベニカミキリ. 広報おおい(大井町広報誌), 668: 20.

  • 渡辺恭平, 2021. 学芸員の雑記帳(1). 神奈川県立生命の星・地球博物館友の会通信111号,2-3.

  • 渡辺恭平, 2021. セイヨウミツバチ. 広報おおい(大井町広報誌), 665: 16.

学芸トピックス

学芸員の活動成果や、メディアに取り上げられた際の情報を紹介しています。

学芸トピックス―渡辺恭平―