学芸トピックス―瀬能 宏―
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学芸員の瀬能がNHKの番組に出演し、多摩川の外来魚について解説しました

学芸員の瀬能がNHKの番組に出演し、多摩川の外来魚について解説しました

2015年5月1日更新

学芸員の瀬能が4月26日(日曜)に放送されたNHKの番組「ダーウィンが来た!生きもの新伝説:大都会にアユの楽園!?多摩川」に出演し、多摩川では多くの熱帯性観賞魚が遺棄されている現状を踏まえ、このまま水温の上昇傾向が続けば熱帯性魚類の定着が懸念されることを指摘しました。

写真の魚は2014年9月8日に番組収録のために行った調査の際に採集されたもので、ムギツクは国内外来種、コクチバスとオオクチバスは北米原産の国外外来種です。いずれも温帯性の種類で、現在の多摩川にも定着していますが、この日の調査では予測とは裏腹に個体数が多くないことに驚かされました。コクチバスの尾部に見られる傷は鳥によるものと思われ、付近に多数生息するカワウやサギ類のような鳥が外来種の繁殖抑制に一役買っている可能性があることを実感しました。

 

ムギツク標本

ムギツク KPM-NI 37002
多摩川(川崎市多摩区布田)産

コクチバスの標本

コクチバス KPM-NI 37003
多摩川(川崎市多摩区布田)産

オオクチバスの標本

オオクチバス KPM-NI 37005
多摩川(川崎市多摩区布田)産

※KPM-NIは当館の魚類標本の資料番号であることを示す記号です。