魚の会講演会
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魚の会(うおのかい) 令和2年度第2回講演会「駿河湾の深海ザメの話」

魚の会(うおのかい) 令和2年度第2回講演会「駿河湾の深海ザメの話」

日程:2020年11月22日(日曜)

駿河湾は水深2,500 mに及ぶ日本でいちばん深い湾です。三保の灯台から8 km沖合に出れば水深は1,000 mにもなり、海底は暗黒の世界となります。駿河湾の沖には黒潮が流れ、また富士川や大井川などの河川から多量の淡水が流れ込み、駿河湾は複雑な海洋構造を呈し、生産性の高い湾となっています。そのため、様々な魚類の生息を可能にしています。中でも深海に生息するサメ類の出現種数は世界でも有数の地域となっています。サメ類は世界で約540種、日本で約126種が知られていますが、駿河湾では日本の約半数の64種が出現し、そのうちの43種が深海ザメです。深海ザメとは水深200 m以深に主たる生息圏を持つサメの呼称です。本講演では駿河湾に生息する深海ザメの生態について述べます。最初に駿河湾の特徴について解説し、次に深海に生息するサメ類の特徴について紹介し、最後に深海ザメから見た駿河湾の豊かさについてまとめます。

「オロシザメ」の画像

オロシザメOxynotus japonicus KPM-NI 28175 駿河湾産 瀬能 宏撮影

講師:田中 彰(たなかしょう)氏(東海大学客員教授)

1952年4月神奈川県生まれ。1980年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。農学博士。1980年より務めた東海大学を2018年3月に定年退職し、現在は客員教授で学生に講義を行っている。専門は海洋動物学、保全生態学、特にサメ類などの高次捕食者の生態、生活史の研究。駿河湾を眼前にした海洋学部のメリットを活かし、深海に生息するサメ類の研究をライフワークとし、そのほか熱帯の河川に生息する淡水産サメ・エイ類の研究を世界の未開な地域で行ってきた。国際自然保護連合(IUCN)種の保全委員会サメ専門家グループメンバーとしてRed List評価作業部会に参加。日本板鰓類研究会前会長。著書に「深海ザメを追え」(宝島社)、「The Deep Sea, 日本一深い駿河湾」(静岡新聞社、分担執筆)、「海洋生物学入門」(東海大学出版会、分担執筆)、「美しき捕食者、サメ図鑑」(実業之日本社、監修)など。

開催日 2020年11月22日(日曜)
場所 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階西側講義室
開催時間 14時から15時
定員 当日受付・先着15名
料金 無料
主催

魚の会(うおのかい)

「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

問合せ先 神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:瀬能 宏
電話:0465-21-1515 e-mail:senou@nh.kanagawa-museum.jp