新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 2A01[ クレーター ]
 
クレーター
Craters
 地球には、自然がつくった丸いくぼ地があります。くぼ地はクレーターとよばれます。そのできかたの一つには火山(かざん)の噴火口(ふんかこう)説があります。火山の噴火(ふんか)がおきると、噴火口の岩石が吹き飛ばされて丸い穴があきます。しかし、火山のないところにもクレーターが見つかっています。クレーターは地球の誕生(たんじょう)にとって大切な証拠(しょうこ)です。クレーターから地球の歴史(れきし)が読み取れます。
写真 アメリカ合衆国メテオライト・クレーター

   

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衝突
K/T境界

 
クレーターのいろいろ
 クレーターは、地球以外の天体にも見つかっています。ほかの天体の表面(ひょうめん)を見ますと、クレーターは必ずあるものだということがわかります。地球型惑星(ちきゅうがたわくせい)とよばれる水星(すいせい)、金星(きんせい)、火星(かせい)、そして小惑星(しょうわくせい)や衛星(えいせい)の月やガニメデ、ユーロッパ、また彗星(すいせい)にもクレーターが見つかっています。太陽系の固い地表をもつ天体にはいつもクレーターがみつかります。
写真 火星(かせい)のクレーター
   

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土星(どせい)の衛星(えいせい)ディオネのクレーター
写真 土星(どせい)の衛星(えいせい)ディオネのクレーター
   

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ハレー彗星(すいせい)
写真 ハレー彗星(すいせい)
   

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ハレー彗星(すいせい)のクレーター
図表 ハレー彗星(すいせい)のクレーター
   

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クレーターの分布
 地球上には、たくさんのクレーターが見つかっています。そのクレーターは新しい時代にできたものです。古いクレーターは、風や雨や川にけずられたり、造山運動(ぞうざんうんどう)などの地球の営(いとな)みによって消されてしまいました。陸地は地表の三分の一しかありません。陸上のクレーターの古いものはほとんど消されてしまいました。地球ができて今まで、無数のクレーターができたはずです。しかし、地球の営みによって、今のおだやかな地表となったのです。
図表 地球のクレーターの分布図(ぶんぷず)、黒丸はクレーターと決まったもので、白丸はまだ決まってないもの
   

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月のクレーター
 月の表面(ひょうめん)にはたくさんのクレーターがあります。月をよく見ますと、クレーターの多い部分と少ない部分があります。クレーターの多い所は白い岩石(斜長石(しゃちょうせき))でできており、少ない所は黒い岩石(玄武岩(げんぶがん))でできています。白い岩石は、黒い岩石より古い時代(じだい)にできたものです。このことから古い時代ほどクレーターが多いことがわかります。
写真 月のアペニン山脈(さんみゃく)と雨の海
   

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クレーターの数
 6回のアポロによる月着陸(つきちゃくりく)によって多くの岩石(がんせき)がもち帰られ、研究(けんきゅう)した結果(けっか)、月の岩石の形成年代(けいせいねんだい)がわかってきました。大地(だいち)ができた年代とクレーターの数にはある関係があります。クレーターの数は古い時代(じだい)ほど多いことがわかります。時間がたつにつれてクレーターのできる数はぐんぐん(指数関数(しすうかんすう)的に)減(へ)ります。最近では、クレーターの数は非常に少なくなっています。月の古い大地(高地(こうち))は、もとの地形がほとんど残っていないほどクレーターにおおわれています。クレーターは天体誕生(たんじょう)のころに、たくさんの隕石(いんせき)が激(はげ)しく衝突(しょうとつ)したことを示しています。
図表 クレーターの頻度(ひんど)の変化
   

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EPACS Museum of Natural History
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