神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史] |
a04[ 深成岩 ] |
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■深成岩(しんせいがん) (Plutonic Rocks) 深成岩は、マグマがゆっくり冷え固まってできたため、大きな鉱物の結晶の組み合わせになる。かつては、地域や時代、組織の違いによって多くの名前がつけられたが、現在では使われなくなったものも多い。本書では、一般に使われている鉱物の量比(モード組成)や鉱物の化学組成などの定量的データによる分類法で示した。 図表 深成岩のかんらん石−斜方輝石−単斜輝石による分類(Classification)
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関連項目: |
a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a09 火山岩 |
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■貫入岩(かんにゅうがん) (Intrusive Rocks)の産状 花(か)こう岩(がん)は、大規模に分布することが多く、大陸では数百kmにおよぶこともある。丹沢のトーナル岩は底盤(ていばん)(バソリス)の一種である。周囲の岩石や地層の構造を切って貫入している板状の貫入岩を岩脈(がんみゃく)、岩床(がんしょう)とよび、平行に貫入してるものをシルという。マグマが地表へ噴出するまでの通路は、火道(かどう)とよばれる円柱状の貫入岩となる。
写真 足柄下郡箱根町須雲川の貫入岩
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関連項目: |
a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a09 火山岩 |
c11 丹沢層群煤ヶ谷亜層群 |
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■岩脈(がんみゃく) (Dykes)の産状 周囲の地層や岩石の構造を切っている貫入岩(かんにゅうがん)のうち、垂直に近いものを岩脈といい、傾いているものを岩床(がんしょう)とよぶ。岩脈や岩床は、冷たい物質中に熱いマグマが貫入して急冷されたため、岩体外側の接触部が細粒で内側が粗粒の組織をもつ。 写真 津久井郡津久井町鳥屋早戸川の岩脈
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関連項目: |
a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a09 火山岩 |
a11 安山岩 |
c10 丹沢層群大山亜層群 |
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■火道(かどう) (Vents)の産状 マグマが地表に噴出するまでの通路を火道という。断面は円形が多いが、不規則な形のものがある。火道は、溶岩や火砕物(かさいぶつ)、または、まわりの地層や岩石などが固まった硬(かた)い岩石でうめられている。 写真 足柄上郡山北町谷峨峠の火道
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a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a09 火山岩 |
a11 安山岩 |
c20 足柄層群 |
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■ポイキリティック組織 (Poikilitic Texture) 大きな鉱物の結晶中に別の種類の鉱物が含まれている組織。大きな結晶を主晶(しゅしょう)(oikocryst、host crystal)とよび、含まれている別の鉱物を客晶(きゃくしょう)(chodacrystal)という。客晶が先に結晶化(晶出(しょうしゅつ))し、主晶が後から晶出してできたことになる。 写真 足柄上郡山北町世附大棚沢産斑れい岩の偏光顕微鏡写真(オープンニコル)
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関連項目: |
a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a07 斑れい岩 |
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■コロナ組織 (Corona Texture) 一つの鉱物が別の鉱物に取り囲まれている組織をいう。中の鉱物がマグマと反応して、反応しきれず残ったものが別の鉱物に取り囲まれたものである。反応縁や反応コロナと呼ばれることもある。 写真 足柄上郡山北町世附水の木産トーナル岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)
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関連項目: |
a02 岩石の種類 |
a03 火成岩 |
a06 トーナル岩 |
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■等粒状 (とうりゅうじょう)組織(Equigranular Texture) 鉱物のほとんどが、ほぼ同じ大きさの結晶からできている組織。結晶の直径が5 mm以上のものを粗粒(そりゅう)、1〜5mmを中粒(ちゅうりゅう)、1mm以下を細粒(さいりゅう)という。あまりにも細粒の場合は使わない。 写真 足柄上郡山北町中川大滝沢産トーナル岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)
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a03 火成岩 |
a06 トーナル岩 |
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■集積状 (しゅうせきじょう)組織(Cumulous Texture) マグマだまりの中で、晶出した鉱物が集まってできた組織。集まった結晶の間を別の結晶がうめている。結晶とマグマの比重の違いによって、結晶が沈む場合と浮かぶ場合がある。集積鉱物と間をうめる鉱物の形態の違いによって細別される。 写真 足柄上郡山北町世附大棚沢産斑れい岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)
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