神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 a24[ さまざまな堆積岩 ]
 
さまざまな堆積岩 (Variety of Sedimentary Rocks)
 砕屑性(さいせつせい)堆積岩以外にもさまざまな堆積岩が神奈川には見られる。生物の骨や殻などが集まってできた石灰岩やチャートには、その中に化石が残っていることもある。火山噴出物のうち、空中や水中を移動してたまった火山砕屑岩も堆積岩の一種である。
写真 横須賀市長井松ヶ崎

   

 関連項目:

a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c14 三浦層群

 
石灰岩(せっかいがん) (Limestone)
 石灰岩は方解石やアラゴナイ、ドロマイトなどの炭酸塩鉱物を主とする海成や湖沼成、温泉沈殿物がある。石灰岩は、石灰質セメント、石灰泥、石灰質粒子が主な構成物である。石灰質粒子は、生物源砕屑物やオーリス(同心円あるいは放射状構造を持つ球形粒子)、ペレット(無脊椎動物の糞(ふん))などからなる。丹沢層群の大山亜層群中には、レンズ状岩体として産する。山北町皆瀬川人遠のネフロレピディナ有孔虫化石を含む石灰岩は神奈川の天然記念物に指定されている。
写真 足柄上郡山北町皆瀬川人遠産

   

 関連項目:

a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c10 丹沢層群大山亜層群

 
火山砕屑岩(かざんさいせつがん) (Volcanoclastic Rocks)
 火山砕屑岩は堆積岩に属するが、火山砕屑岩固有の分類もおこなわれる。砕屑性堆積岩中に火山砕屑物が混じっている場合は、火山砕屑岩と堆積岩の名前をあわせて、凝灰質砂岩、火山角礫岩質礫岩などとよぶ。三浦層群の三崎層、池子層は凝灰質砂岩を主とし、第四紀の関東ローム層はテフラを主とする。
写真 三浦市三崎町城ケ島産

   

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a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c14 三浦層群

 
水中火山砕屑岩(すいちゅうかざんさいせつがん) (Subaqueous Volcanoclastic Rocks)
 水中での火山活動によってできた砕屑岩。水中火山砕屑岩と砕屑性堆積岩とは定義上は区別されているが、野外での区別は容易でない場合もある。丹沢層群の塔ヶ岳亜層群と大山亜層群、また湯ヶ島層群は水中火山砕屑岩を主としている。
写真 西丹沢産(足柄上郡山北町の西丹沢自然教室野外展示)

   

 関連項目:

a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c10 丹沢層群大山亜層群
c09 丹沢層群塔ヶ岳亜層群
c06 湯ヶ島層群

 
泥炭(Peat)
 湖沼や河川の湿地で生育した植物が分解されずに残って堆積したものである。泥炭が固まって岩石になったものを石炭という。泥炭は神奈川県内では大磯丘陵の吉沢層中にみられる。
写真 平塚市土屋産

   

 関連項目:

a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c26 関東ローム層

 
頁岩(けつがん) (Shale)
 泥岩が強い圧力をうけて、はがれやすく(剥離(はくり)性)なったものを頁岩という。さらに剥離性の強くなったものを粘板岩(ねんばんがん)(slate)と呼ぶ。小仏層群や相模湖層群に見られる。
写真 愛甲郡愛川町田代平山産

   

 関連項目:

a02 岩石の種類
a21 堆積岩
c04 小仏層群
c05 相模湖層群

 

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