神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 b02[ 造岩鉱物 ]
 
造岩鉱物(ぞうがんこうぶつ) (Rock-forming Minerals)
 岩石を構成している鉱物を造岩鉱物という。主要な造岩鉱物は十数種類である。火成岩はマグマの化学組成などによってその主要構成種や量比が異なる。また、冷却のしかたによっても結晶の粒の大きさや鉱物組成が変化する。造岩鉱物の多くは酸素(さんそ)と結合しており、その大部分は珪酸塩(けいさんえん)鉱物(金属イオン・珪素・酸素からなる)や珪酸鉱物(珪素・酸素からなる)である。
図表 造岩鉱物の分類

   

 関連項目:

b41 鉱物一覧

 
苦鉄質鉱物(くてつしつこうぶつ) (Mafic Minerals)
 マグネシウム(Mg)や鉄(Fe)を主成分とする鉱物で、色のついた物が多く、かんらん石、輝石(きせき)、角閃石(かくせんせき)、雲母族鉱物などが属する。苦鉄質鉱物の多くは、鉄とマグネシウムが連続的に入れ替わる(固溶体(こようたい))ような化学組成をもっている。珪長質鉱物に比べて比重が大きく、玄武岩(げんぶがん)や斑れい岩(はんれいがん)などの塩基性岩の主要構成鉱物である。花こう岩やデイサイト、流紋岩(りゅうもんがん)などの酸性岩にも量は少ないが含まれる。
写真 足柄上郡山北町世附大棚沢産斑れい岩の偏光顕微鏡写真(オープンニコル)

   

 関連項目:

a07 斑れい岩
a10 玄武岩
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苦鉄質鉱物(くてつしつこうぶつ) (Mafic Minerals)
写真 富士山の玄武岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)

   

 関連項目:

a07 斑れい岩
a10 玄武岩
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珪長質鉱物(けいちょうしつこうぶつ) (Felsic Minerals)
 珪酸(SiO2)とアルミニウム(Al)を多く含む鉱物で、一般に無色から白っぽいものが多い。石英(せきえい)、斜長石(しゃちょうせき)、アルカリ長石(ちょうせき)などが代表的なものである。珪長質鉱物は苦鉄質鉱物より比重が小さく、花こう岩(かこうがん)や流紋岩(りゅうもんがん)などの酸性岩の主要鉱物である。酸性岩には珪長質鉱物が多く含まれるが、玄武岩(げんぶがん)や斑れい岩(はんれいがん)などの塩基性岩にも含まれている。
写真 足柄上郡山北町世附水の木沢村林道産トーナル岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)

   

 関連項目:

a05 石英閃緑岩
a06 トーナル岩
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珪長質鉱物(けいちょうしつこうぶつ) (Felsic Minerals)
写真 南足柄市矢倉沢矢倉岳産石英閃緑岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)

   

 関連項目:

a05 石英閃緑岩
a06 トーナル岩
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分類 (Classification)
 鉱物は、化学組成と原子配列によって種が定義され、化学組成によって系統分類される。一つ一つの種は色・光沢・硬さ・密度・割れかた(劈開(へきかい))などの性質があり、また原子配列の規則性を反映して6つの結晶系に分けられ、これらはさらに32の晶族(しょうぞく)に細分される。
図表 分類表

   

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