神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 d04[ 火山列島の時代 ]
 
火山列島の時代 (Age of Volcanic Islands)
 活発な海底火山活動によって、大量の火山噴出物や火山性堆積物が海底に厚く堆積し(丹沢層群(たんざわそうぐん)、愛川層群(あいかわそうぐん))、島弧(とうこ)の上部地殻(ちかく)が形成されていった。地下深くでは、マントルから上昇してきた玄武岩(げんぶがん)質マグマが地殻をとかして花こう岩質マグマをつくり、下部地殻を形成していった。丹沢山地の中心部に見られるトーナル岩は、このようにしてできた花こう岩質マグマが冷え固まった深成岩(しんせいがん)である。この花こう岩質マグマの形成は1500万年前ころから始まり、700万年前ころまでの間に丹沢層群に貫入(かんにゅう)して、冷えて固まった。この花こう岩質マグマの貫入によって、丹沢層群は熱による変成作用をうけ、丹沢山地北部にみられるようなスカルンやホルンフェルスとよばれる変成岩(へんせいがん)ができた。丹沢湖周辺に見られる緑色片岩(りょくしょくへんがん)や角閃岩(かくせんがん)などの結晶片岩(けっしょうへんがん)類は、丹沢層群が高い圧力と温度の影響を受けてできた変成岩(へんせいがん)である。太平洋プレートの沈み込みにともなう活発な火成活動が、丹沢−伊豆−小笠原の火山列島を海洋性島弧(伊豆・小笠原弧)へと成長・発達させた。
図表 火山列島の時代
   

 関連項目:

c10 丹沢層群大山亜層群
c11 丹沢層群煤ヶ谷亜層群
c13 愛川層群
a06 トーナル岩
a15 変成岩

 

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