神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 d07[ 箱根火山の時代 ]
 
箱根火山(かこねかざん)の時代 (Age of Hakone Volcano)
 伊豆半島の北部では、70万年前から宇佐美(うさみ)火山、熱海(あたみ)火山などの火山活動がはじまった。続いて65万年前に箱根火山が活動をはじめた。25万年前には高さ2700mにもおよぶ成層(せいそう)火山を形成した。25万〜18万年前の間に、大量の軽石を噴出する激しい火山活動が数回にわたっておきた。この活動の後、火山の中央部は大陥没(かんぼつ)をおこし、大きなカルデラが形成された。カルデラの縁が古期外輪山(こきがいりんざん)として残っている。その後、18万〜14万年前までの間は、断続的に火山灰や軽石を噴出する活動が続いた。やがて14万〜8万年前にかけて、カルデラ内で火山活動が続き、カルデラの中に溶岩が流れ出て、盾状(たてじょう)火山が形成された。8万〜6万年前になって、大量の軽石を噴出する活動が繰り返された後、再び陥没がおきて新しいカルデラができた。その縁が新期外輪山として残っている。新しいカルデラの内側には大きな湖が形成された。6万〜3000年前まで最後の火山活動が繰り返され、中央火口丘(かこうきゅう)ができた。3000年前、中央火口丘の1つである神山(かみやま)で水蒸気爆発をおこり、山体が崩壊した。山体から崩れ落ちた堆積物はカルデラ湖を半分以上埋めつくし、現在の芦ノ湖(あしのこ)が誕生した。箱根火山の活動は、沈静(ちんせい)化したが、噴気活動は今でも続いている。
図表 箱根火山のCG鳥瞰図(国土地理院数値地図50mメッシュ(標高)を使用
   

 関連項目:

c25 箱根火山岩類
c23 湯河原火山岩類

 

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