神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史]
 d09[ 台地・丘陵の時代 ]
 
台地(だいち)・丘陵(きゅうりょう)の時代 (Age of Hills)
 100万年前からはじまった、氷期(ひょうき)と間氷期(かんぴょうき)のサイクルは、海水面の上下変動をもたらし、氷期の海退(かいたい)と間氷期の海進(かいしん)を繰り返しおこした。海退期には河川の砂礫が堆積し(河成段丘(かせいだんきゅう)堆積物)、海進期には海が内陸まで入り込んで泥や砂が堆積した(相模層群(さがみそうぐん))。さらに、箱根火山や富士山などの活発な火山活動により、火山灰が厚く降り積もった。プレート運動にる地盤の隆起も生じた。このような堆積作用と侵食作用、地盤隆起の繰り返しにより、多摩(たま)丘陵や相模原(さがみはら)台地が形成されていった。2万年前の最終氷期になると、当時の海岸線は現在よりも130mほど低くなり、海底面が広く陸化した。1万年前から温暖期がはじまり、6000年前(縄文時代前期)の最も暖かい時期には、海面は現在に比べて2〜3m上がり、広い内湾が形成されて土砂が厚く堆積した(沖積層(ちゅうせきそう))。その後、海面の低下と地盤の隆起活動によって内湾が陸化し、平野や低地が形成された。沖積層は、現在も海で堆積を続けている。
図表 台地・丘陵の分布(松島・平田,1988から)
   

 関連項目:

c27 沖積層
c24 相模層群

 

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