撮影場所 
神奈川県横浜市緑区新治町
M021
地層
関東ローム層(新期ローム層)
東京都立大学 町田 洋 名誉教授 撮影.ここは恩田川沿いに分布するMIS5aの河成段丘上のローム層下部の露頭です。
段丘礫層は人物の足元にあり、その上に火山灰土が積もっています。その上部にある白っぽい層はHk-TPで、それを境に土の色が変わるのは、地下水位が高くて還元状態だった環境が急にやや乾燥した酸化状態に変わったことを示します。
下の層は池などができ水が淀んだ環境で形成された泥炭層で、植物遺体を多く残しているので当時の植生や気候環境を知るのに重要です。泥炭中の花粉分析をここで行った結果(崖面に試料採取の跡がある)では、現在よりはるかに寒冷な気候環境にあったことがわかっています。これは世界的にはMIS4という氷期に当ります。なおその後の研究ではこの寒冷気候はHk-TPの1mほど上位の時代まで続いたことがわかっています。
時代
新生代第四紀 後期更新世
層序対比表
撮影時期
1986年2月(現存せず)
詳細地図
MAP