学芸トピックス―瀬能 宏―
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学芸員の瀬能のサメに関するコメントが神奈川新聞に掲載されました

学芸員の瀬能のサメに関するコメントが神奈川新聞に掲載されました

2015年8月18日更新

茅ヶ崎沖に出現したシュモクザメに関する学芸員の瀬能のコメントが、8月15日(土曜)付け神奈川新聞に掲載されました。日本産のシュモクザメ科にはシロシュモクザメ、アカシュモクザメ、ヒラシュモクザメの3種が知られています。今回、相模湾沿岸で騒ぎになっているシュモクザメは、過去の記録や出現状況からシロシュモクザメの幼魚の可能性が高いと考えられます。当館には熱海や三浦、小田原市根府川で漁獲された5個体のシロシュモクザメの標本が収蔵されていますが、いずれも全長1m程度の幼魚です。この仲間は金槌状の頭部の形態によって見分けることができます。頭部の前縁中央に凹みがなければシロシュモクザメ、凹みがあり、前縁全体が前にせり出していればアカシュモクザメ、凹みはあるけれども前縁全体が直線状ならヒラシュモクザメです。アカシュモクザメは青森県からも記録されていますが、シロシュモクザメに比べると分布域が南方に偏っており、今後海水温の上昇傾向が続けば相模湾から記録されるかも知れません。相模湾の沿岸からは、シュモクザメのように肉食性で遊泳力の強いサメとしてメジロザメ科のイタチザメ(人食い鮫として有名;神奈川県自然誌資料(30):65-67PDF(2.05MB))やハナザメ、ネズミザメ科のアオザメなどが記録されています。

 

シロシュモクザメの標本

シロシュモクザメ KPM-NI 23083
小田原市根府川産 2009年1月22日採集

アオザメの標本

アオザメ KPM-NI 23078
藤沢市江の島産 2008年12月15日採集

ハナザメの標本

ハナザメ KPM-NI 23081
小田原市根府川産 2009年1月22日採集

イタチザメの標本

イタチザメ KPM-NI 23900
三浦半島佐島産 2009年5月24日採集

 

※KPM-NIは当館の資料番号であることを示す記号です。