学芸トピックス―瀬能 宏―
トップページ
学芸トピックス
学芸トピックス―瀬能 宏―
学芸員の瀬能が報告した日本初記録の魚が報道されました

学芸員の瀬能が報告した日本初記録の魚が報道されました

2014年3月7日更新

当館研究報告(自然科学)の43号に、学芸員の瀬能と、日比野友亮氏(三重大学)、山田文彦氏(鹿児島県天城町在住)の共同で発表された日本初記録の魚が、3月1日付けの奄美新聞オンライン版の他、複数の地元紙で紹介されました。この魚は徳之島の湾屋洞窟で山田氏により採集されたもので、検討の結果、日本からは記録がなく、世界的にもごく少数の標本が得られているに過ぎないイワアナゴ科のXenoconger fryeriであることがわかりました。生息地の湾屋洞窟は、地下で海とつながり、陸側からは小さな川が流れ込む特殊な汽水環境(アンキアライン)が形成されています。このような場所を地元では「ウンブキ」と呼んでいるため、この魚の標準和名は「ウンブキアナゴ」と命名されました。採集された標本(KPM-NI 29424、体長344.9 mm)はわずか1個体で、学名の基準となった標本との間に一致しない特徴がみられるため、引き続き分類学的な研究が進められています。

 

論文詳細

瀬能 宏・日比野友亮・山田文彦, 2014. 奄美群島徳之島アンキアライン洞窟から得られた日本初記録のイワアナゴ科の稀種ウンブキアナゴ(新称). 神奈川県立博物館研究報告(自然科学), (43): 1-6.

※KPM-NIは当館の資料番号であることを示す記号です。