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【企画展】日本最後の秘境 南硫黄島

【企画展】日本最後の秘境 南硫黄島

この展示は終了しました

 

「秘境」と呼ばれる地域は、各地にありますが、「これぞ正真正銘の秘境」と言えるのが南硫黄島です。
この島は、東京の約1,300km南方に位置する、面積3.5平方kmの小さな無人島です。山頂の標高は916m、平均傾斜45度と地形は急峻です。
歴史上、人間が定住したことがなく、1975年に原生自然環境保全地域に指定され、人間の立ち入りが禁止されてきました。 このような“奇跡の島”で、1936年、1982年に続き、2007年に25年ぶり3回目の学術調査が東京都、首都大学東京を中心に実施され、当館学芸員も参加しました。

この企画展では、南硫黄島の学術調査の結果を、探検隊の日々の活動とともに紹介し、隊員がこの目で見て体感した原生自然の素晴らしさをお伝えしたいと思います。
また、日本では数少ない手付かずの自然の姿を知ることで、取り戻すべき自然環境を考える機会になり、小笠原の自然再生の目標の一つにもなることを願っています。

今回展示される学術成果の標本は、おそらく一般の方が見る機会は、これが最初で最後になる可能性が高いものです。
まだ、正式に名前がつけられる前の新種、世界でこの小さな島にしかいない生物達の「実物」をぜひごらんください。


おもな展示
 映像  「南硫黄島 自然編、人間編」(自然編・25分間、人間編・16分間)

NHK教育TVでも放映された、今回の南硫黄島調査隊のさまざまな場面、島の生き物達の映像をこの展示のために特別編集された番組です。
絶海の孤島の魅力満載!ホントに凄い映像あり。同じ位笑いあり。ここでしか見られません! さ~っと素通りしてはもったいない!
ベースキャンプを再現したところで見られます。どうぞ座ってごらんください。


 

体験コーナー
  • 探検隊が実際に使用した、「加藤隊長のテントに入ってみよう」(もぐって遊べる)
  • 「しょってみる?」補給部隊が運んだ水入りのザック(18kg)
  • 「ユマール(昇降機)でザイルをのぼらせてみよう!」
マネキン
  • 展示室には何体のマネキンがいるでしょう?


 

標本
  • ヤシガニ:南方からの迷入個体と考えられるが、大型のもの。
  • 新種の貝  今回発見された新種(おそらく島固有種)大きさは2mm程度の小さな陸貝(カタツムリ) ナタネガイ属の1種、キバサナギガイ属の1種、トウガタノミガイ属の1種
数十年ぶりの再発見
  • 貝:ナカダノミガイ;タマゴナリエリマキガイ → いずれも、戦前の父島での記録しかなく、絶滅したと考えられていた種。南硫黄に生き残っていた。
  • 昆虫:オガサワラハラナガハナアブ → 40年ほど前の父島・母島の記録しかなく、絶滅したと考えられていた種。
島固有種(世界でも南硫黄でしか見られない生物)
  • 固有昆虫
    ・ミナミイオウヒメカタゾウムシ:「属」の単位でも島固有。
    ・ミナミイオウトラカミキリ(固有亜種)
  • 固有植物:エダウチムニンヘゴ
  • 固有鳥:クロウミツバメ
日本では、南硫黄以外では、ほとんどみられない種
  • 鳥:アカオネッタイチョウ
  • 爬虫類:ミナミトリシマヤモリ
特有の岩石
  • 単斜輝石玄武岩


 感想・ご意見 

 

  • 絶海の孤島が、‘孤島’として人間の進出を受けずにいたことがよくわかりました。 戦時中、この島に数名の軍人が派遣されたという記事を読んだことがありますが、実際どうだったのか気になります。 もし事実なら補給などおぼつかず孤独な、過酷な任務になっていたことと思います。
    まだこの展示だけではわからないことがいっぱいあり、興味はつきません。 できれば北硫黄島など同条件の孤島が近海にありますので、詳しい紹介をお願いします。(M・Eさん)

硫黄島や北硫黄島は、同じ火山列島にありながら、激しい人為によるかく乱を受けています。 その意味でも、南硫黄の貴重さは特筆すべきものです。機会があれば他の島との比較も紹介したいと思っています。 将来的に企画されている本では、ぜひ取り上げたい課題ですね。

  • 何気なく入ったのですが、全てが壮絶!あまりに過酷な調査内容、行程にしばし言葉を失いました。
  • とても楽しく拝見しました。もっと時間をとってゆっくり見たかった。本は出さないの?

ぜひ、まとめたいと思います。日本にこんな島があることは、一般の方はほとんどご存じないですからね。

  • 新聞記事で企画展を知り、たずねてみました。行かれた方々と苦労とうれしさ、うらやましい限りです。 これからもすばらしい情報を楽しみにしています。参加できる方々はどうして選ばれるのかな?(海老名市 Kさん)

調査班は、基本的に小笠原の調査を長くやっているエキスパートの面々です。 小笠原でも独特の調査の困難さ(酷暑もそうです)があるので、そういう経験が豊富なこと、フィールドでの経験地が高いこと(多くの人は、海外調査も多数経験しています)、 なども重要ですね。ただし、実際に行ってみると、想像を絶する場所でしたが。

  • 千葉からきました。実際は大変な調査だったと思いますが、それ以上に隊員の方々のコメントとかウケました。お疲れ様でした(Aさん)
  • 生態系保全のための厳しい検疫、学者の魂を見ました! 調査の成果、事実の積み重ねに感動(T.Aさん)
  • こちらの博物館の企画展は、常に『我々一般人が知りたいところ』を調査、研究され、かつ『わかりやすく』展示されているので、 毎回たのしみにしています。今回もありがとう。お疲れ様でした。(学生時代に地質学を専攻したので興味があるのです)
  • 厳しいクライミングの割に、食べ物の質と量が少ないのが疑問に思う。メンバーが栄養失調になってしまわないか。 或いは医学的に考えられた食事なのですか?(Oさん)

厳しい予算と、厳しい重量規制の結果、ああなってしまったのですが、展示してみると、 確かに「これで足りるの?」という感じはありますね。ただし、実際には船からの差し入れや、隊員個人でもっていった補助食もあるのと、 ご飯などは余分もあったので、少なくともベースキャンプでは、おなかいっぱい食べられました。みな疲労困憊だったので、それほど食欲もなかった気がしますが。 日持ちのする根菜など、少しでも持っていくべきだったというのが、帰ってからの感想でした。


終了しました

日時 12月16日(日曜)13時30分から16時
申込 事前申し込みは必要ありません。
場所 当館ミュージアムシアター
講演者 登山隊隊長 朱宮丈晴 氏
学術隊隊長 加藤英寿 氏
当館学芸員 苅部治紀
内容
  1. 調査の意義・隊の成り立ちについて:加藤
  2. 調査準備・訓練・検疫:朱宮
  3. ビデオ上映・解説:加藤、朱宮
  4. 学術成果速報:朱宮、苅部
  5. 学術成果速報と島での生活:加藤

2007年度【企画展】日本最後の秘境 南硫黄島
開催期間 2007年12月8日(土曜)から2008年2月24日(日曜)
開館時間 9時から16時30分(入館は16時まで)
休館日 毎週月曜日(12月24日、1月14日、2月11日は開館)
館内整理日:2008年1月8日(火曜)
年末年始の休館日:12月29日(土曜)から1月3日(木曜)
料金
  企画展 常設展
65歳以上 無料
20歳以上 無料 510円
20歳未満・学生 無料 300円
高校生以下 無料
企画展関連イベント
終了しました
講演会 12月16日(日曜)
「日本最後の秘境を目指す ―南硫黄島探検の成果速報」
主催 神奈川県立生命の星・地球博物館
共催 東京都 首都大学東京 小笠原自然文化研究所
後援 環境省関東地方環境事務局
協力 JR東日本横浜支社小田原地区・小田急グループ
お問合せ先 神奈川県立生命の星・地球博物館
〒250-0031 神奈川県小田原市入生田499
電話:0465-21-1515 ファックス:0465-23-8846