学芸員の大西が責任編集を務めた、博物館標本のゲノム解析事例を紹介する書籍が出版されました
2024年10月4日更新
学芸員の大西亘と、兵庫県立大学自然・環境科学研究所 兼 兵庫県立人と自然の博物館の中濱直之博士、横浜国立大学の中臺亮介博士、お茶の水女子大学の岩崎貴也博士が責任編集を務めた書籍が出版されました。
「種生物学シリーズ タイムカプセルの開き方 博物館標本が紬ぐ生物多様性の過去・現在・未来」と題した書籍は、ゲノム解析技術を用いて、博物館標本のもつ遺伝子情報を調査し、現代の生物を調べただけではわからない、過去・現在・未来の生物多様性を明らかにした最新の研究事例を紹介したものです。大西は責任編集を務めたほか、標本の取扱いや研究者と博物館とのやり取り、博物館側で必要な対応、博物館をめぐる学術情報流通の将来像などについて執筆しました。
博物館資料を対象として、そこに保存されている情報を引き出して研究しよう、という研究アプローチは「ミュゼオミクス」とも呼ばれ、本書は国内における「ミュゼオミクス」についての初めての専門書籍でもあります。本書がきっかけとなって、ミュゼオミクス研究が活発に実施されるようになるとともに、人類にとっての標本の重要性と、それを次世代に伝える博物館の役割が、社会で広く認知されるようになることを期待します。
【書籍の情報】
「種生物学シリーズ タイムカプセルの開き方 博物館標本が紬ぐ生物多様性の過去・現在・未来」
責任編集:中濱直之 (兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授 兼 兵庫県立人と自然の博物館主任研究員)、中臺亮介 (横浜国立大学大学院環境情報研究院講師)、岩崎貴也 (お茶の水女子大学基幹研究院講師)、大西 亘 (神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員)
2024年10月4日 文一総合出版より刊行
本書は、当館ライブラリーで近日中に閲覧可能となる見込みです。また、当館ミュージアムショップでも取り扱われる予定です。