魚の会(うおのかい) 令和6年度第3回講演会「神奈川県淡水魚類チェックリストの作成」
神奈川県内の陸水域では、既往の調査研究により多くの淡水魚類が記録され、その知見が集積されてきました。これらの知見から県内の淡水魚類相を俯瞰すると、在来の純淡水魚の種類数は少なく、キンブナやミヤコタナゴ、タナゴ、ゼニタナゴ、ヒガシシマドジョウ、ギバチなどの地理的分布の境界にあたること、黒潮が洗う相模湾に面した河川や河口干潟が発達する東京湾側の河川には、通し回遊魚や汽水性魚類が豊富なことなどが特徴としてあげられます。また、近年の環境改変に伴う魚類相の変化についても見てとることができます。
本講演では、明治期から現在までに公表された700篇を超える文献等を対象として作成された神奈川県の淡水魚類チェックリストについて紹介します。また、今後の調査研究や保全に関する課題についても考えたいと思います。
テンジクカワアナゴ
酒匂川河口
ヒガシシマドジョウ
開成町
ギバチ
中村川河口
KPM-NI 6586(瀬能 宏撮影)
講師:木村喜芳(きむら きよし)氏 相模湾海洋生物研究会会長
1965年愛媛県生まれ、神奈川県育ち。日本大学農獣医学部水産学科卒業。高校生の時に地元の鶴見川で魚の調査を始め、都市に残された貴重な自然環境を認識する。以来、神奈川県を中心に河川や沿岸域での魚の調査を続け、今日に至る。調査成果は地域の自然保全活動や啓発活動へ寄与できるよう、とりまとめを意識している。水辺の生きものとの戯れは手放しに楽しいものの、アマチュアの私が活動を続けて来れたのは、常に刺激を与えてくれる諸先輩と仲間の存在があってこそで、感謝の日々。横浜市ミヤコタナゴ保護育成検討会委員、ひらつか生物多様性推進協議会運営委員、茅ヶ崎市自然環境評価調査魚類チームリーダー。
開催日 | 2024年11月17日(日曜) |
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場所 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階 西側講義室 |
開催時間 | 14時から15時 |
申し込み | 事前申し込み不要・当日受付 |
料金 | 無料 |
主催 |
魚の会(うおのかい) 「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。 |
問合せ先 |
神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:和田英敏 電話:0465-21-1515 e-mail:wada.kpm-ni@nh.kanagawa-museum.jp |