[TopPageに戻る]


特別展「オオカミとその仲間たち―イヌ科動物の世界−」

1998年7月18日(土)〜9月27日(日)

オオカミの絵(38KB)

 今から3000万年前の漸新世に、イヌに似た最初の動物が北アメリカに姿を現わしました。マングースに似た動物でした。それ以前に栄えていた肉食獣の肉歯(にくし)類に代わって登場した、新しいタイプの食肉類です。そして、今から600万年前には、現在の近代的なイヌ類の遠い祖先にあたるイヌの仲間が、北アメリカの大平原で走行型の食肉類として進化しました。その中から、コヨーテを小さくしたようなイヌ属の1種が北アメリカからアジアへ渡り、そこで、現在、わたしたちが見ている近代的なイヌ科動物として発展していったのです。

 イヌ科は、広い草原で獲物を捕らえる足の速い肉食動物として進化しました。ほとんどのイヌ類が、速いスピードで獲物を追跡するのに適した長い脚をもち、高度に発達した視覚、聴覚、嗅覚のおかげで、獲物を確実に追跡できる食肉類へと進化していったのです。なかでも、オオカミは氷河時代にイヌ科の中で最も大型のイヌ類として発展しました。通常3〜8頭のパックと呼ばれる家族集団を形成し、群れのリーダーとメンバーが協力して大型の獲物を倒します。ときにはヘラジカのような巨大な草食獣をも狩ることができます。

 高度な社会性をもつオオカミは、人間の家族集団にきわめてよく似ています。また、いまから1万数千年前にオオカミを祖先として家畜化されたのが、現在のイヌだといわれています。コンパニオン動物としてのイヌを通して、人間とオオカミはつながっていると言ってよいでしょう。

 この特別展では、オオカミの生態や行動を中心に、イヌ科動物の世界を紹介します。

イヌ科動物の進化系統図(51KB)


主な展示品

オオカミの骨格(29KB)

剥製
コヨーテ ブッシュドッグ ドール セグロジャッカル 北米産オオカミ ディンゴ ハイイロギツネ オオミミギツネ フェネックギツネ キットギツネ
全身骨格
オオカミ ブッシュドッグ ドール フェネックギツネ 紀州犬
頭骨
ニホンオオカミ ダイアオオカミ 北米産オオカミ モンゴル産オオカミ 朝鮮産オオカミ ディンゴ
化石
ヘスペルキオン ニホンムカシジカ ステップバイソン

切手で見る世界のイヌ科動物の分布

世界のオオカミのカラー写真

描かれたニホンオオカミ…「博物館獣譜」「シーボルトのファウナ・ヤポニカ」

ニホンオオカミ(11KB)


利用案内

開館時間/9:00〜16:30

開催期間中の休館日/毎週月曜日(7/20は開館)・9月16日(水)・9月24日(木)

特別展観覧料 20歳以上(学生を除く)/200円
       20歳未満・学生    /100円
       高校生以下・65歳以上 /無料
常設展観覧料 20歳以上(学生を除く)/510円(400円)
       20歳未満・学生    /300円(200円)
       高校生以下・65歳以上 /無料
(カッコ内は、20名以上の団体料金です)

特別展こども講座 「オオカミってどんな動物?」

 8月8日(土) 10:00〜15:00

 小・中学生 40名(申込・7/28まで往復はがき)

特別展連続自然科学講座 「オオカミを語る」

(申込・はがき)

  1. 講演「オオカミの社会生活」9月6日(日)13:30〜15:30
    講師/増井光子(麻布大学教授)
  2. 講演「日本のオオカミ化石」9月13日(日)13:30〜15:30
    講師/長谷川善和(群馬県立自然史博物館館長)
  3. 講演と鼎談 9月20日(日)13:30〜15:45
    講演「日本人のオオカミ観」講師/菱川晶子(國學院大學)
    鼎談 館長/濱田隆士+菱川晶子+学芸部長/中村一恵

問い合わせ先/神奈川県立生命の星・地球博物館 企画普及課


[TopPageに戻る]