新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 1B01[ 地球から見る ]
 
地球から見る
Sight from the Earth
 地球から外を見ることは、一番かんたんに宇宙に近づく方法です。夜に輝(かがや)く星を見ることは昔から人類(じんるい)がおこなってきた方法です。夜の星をながめていた昔の人は、その動きに規則(きそく)性があることを見つけました。天体の動きを調べて暦(こよみ)が生まれてきました。暦から季節(きせつ)がわかり、農業(のうぎょう)にはかかせないものです。地球の外に見える星が研究(けんきゅう)されるようになってきたのは、それほど古いことではありませんでした。
写真 ローエル天文台(てんもんだい)の光学望遠鏡(こうがくぼうえんきょう)

   

.関連項目:

地球から見る
近づいてみる

 
望遠鏡(ぼうえんきょう)の歴史
 望遠鏡(ぼうえんきょう)の発明(はつめい)は、1610年ころです。ガリレオ・ガリレイは望遠鏡を自分でつくって、宇宙を見て、地動説(ちどうせつ)を考えだしました。その後、望遠鏡は大きくなっていきました。現在、最大のものは、ハワイの直径10メートルのケック望遠鏡です。場所も星のよく見えるところが選ばれてきました。晴れが多いところ、大気(たいき)の乱(みだ)れの少ないところとして、ハワイのマウナ・ケアやアンデス山脈など人の住まないところに大きな望遠鏡がつくられてきました。
写真 ゴールドストーンの電波望遠鏡(でんぱぼうえんきょう)

   

.関連項目:

地球から見る
近づいてみる

 
光と電波
 かつて宇宙は光でさぐられていました。光る星は、目で見える光「可視光線(かしこうせん)」で、調べることができます。可視光線は電磁波(でんじは)の一種です。可視光線は電磁波のうち、私たちが見ることのできるはんいのものです。しかし、可視光線は、広い電磁波のほんの一部にすぎません。波長(はちょう)が短くなると紫外線(しがいせん)、X線(えっくすせん)、γ線(がんません)とよび方が変わっていきます。波長が長くなると、赤外線(せきがいせん)、電波(でんぱ)となります。私たちは目に見えないはんいの電磁波を自在(じざい)にさぐれるようになりました。そしてさまざまな波長の「光」を見る「目」をもつようなりました。
図表 光と電波(でんぱ)
   

.関連項目:

地球から見る
近づいてみる

 
見えない光を見る
 宇宙をさまざまな波長(はちょう)の「光」で見ると、可視光線(かしこうせん)で見ていたものとは違ってきます。電波(でんぱ)や赤外線(せきがいせん)、X線(えっくすせん)、紫外線(しがいせん)などの波長の「光」で見ると、今まで見えなかったものが見えてきます。波長の違う「光」で見ると、銀河(ぎんが)や星の起源(きげん)や進化(しんか)が見えてきます。宇宙はさまざまな光が光っていたのです。
写真 赤外線で見た宇宙
   

.関連項目:

地球から見る
近づいてみる

 
一番近い星
 地球に一番近い星は、月です。月は地球に近いため大きく見えます。月はみずから光をはなっていませんが、太陽の光を大きな面(めん)で反射(はんしゃ)しているため明るく見えます。月はむかしから夜を照(て)らすあかりとなっていました。満(み)ち欠(か)けする月に神秘(しんぴ)を感じ、さまざまな伝説(でんせつ)や迷信(めいしん)が生まれました。しかし今では、人類は月面(げつめん)着陸(ちゃくりく)もはたし、月のようすはかなりわかってきました。月は、半径(はんけい)1,740km、質量(しつりょう)7.35×1022kg、密度(みつど)3.34g/cm3で大気をもたない天体です。
写真 月とアポロ10号

   

.関連項目:

地球から見る
近づいてみる

はじめにもどる もくじ 前の項目にもどる 前のページにもどる

EPACS Museum of Natural History
EPACS 自然史博物館