2012年度特別展「大空の覇者-大トンボ展-」関連連載記事

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「世界のトンボ(2)最大では体長15センチ超」(2012年8月3日掲載記事)

「世界で一番大きなトンボは?」「一番小さいのは?」。私がよく受ける質問だ。

そもそもトンボは、昆虫の中では大型のものが多いが、世界最大とされる種類はいくつかある。 まず、がっしりとした体形のヤンマ・トンボなどの仲間では、ケアンズ近郊などオーストラリア東北部の熱帯雨林に生息するコウテイムカシヤンマが最大。 体長13センチほど、翅を広げると15センチにもなる。 縄張りを持っているオスはその巨体に自信満々なのか、近くを通りかかった私に戦いを挑んでくるくらいの迫力だ。

また、体の細長いイトトンボの仲間では、南米の熱帯雨林に生息するルクテリアハラナガイトトンボが世界最長で15センチを超えるが、翅に比べるとアンバランスに長い腹部をしている。 その幼虫は熱帯雨林のパイナップルの仲間の葉の付け根や樹洞にいるが、その産卵するためにこのような形に進化したという説もある。

一方、世界最小は日本に分布するハッチョウトンボやヒメイトトンボの仲間で、いずれも体長2センチほど。 知らずに見ると、トンボとは思えないほどのかれんさだ。

(県立生命の星・地球博物館主任学芸員 苅部治紀)

「大空の覇者~大トンボ展」が11月4日まで県立生命の星・地球博物館で開催されている。

※こちらは2012年8月3日に神奈川新聞に紹介されたものです。

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