新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 3A01[ 掘ってみる ]
 
掘ってみる
Drilling Research
 一番よく地球の中を観察(かんさつ)する方法は、人間が地下に入って見ることです。人間が入っていけるよりもっと深いところは、ものだけを取ってくる方法があります。ものだけを取るにしても深くなるほど時間や技術そして費用(ひよう)がかかります。しかし、あくなき人間の好奇心(こうきしん)は、より地球深部(しんぶ)をめざしています。
写真 ダイヤモンドの露天(ろてん)掘り
   

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もぐってみる
 地下を調べる一番てっとりばやいのが、穴(あな)を掘ってそこにある岩石(がんせき)を観察(かんさつ)することです。穴を掘るには、たいへんな労力(ろうりょく)と費用(ひよう)を必要(ひつよう)とします。したがって労力やお金にみあう利益(りえき)をあげるものがそこになければ、なかなか深い穴は掘れません。世界で一番深い穴は、南アフリカのウエスターン・ディープ・レベルズ鉱山(こうざん)です。その深さは3,578メートルです。この鉱山は、ダイヤモンドや金などが産出(さんしゅつ)して、てまにみあうだけの利益を上げています。穴が深くなっていくと、温度が高くなっていきます。深い穴では、岩に水をかけて冷やしながら作業(さぎょう)します。
写真 最深(さいしん)の鉱山(こうざん)(3,578メートル)

   

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海底を掘る
 海底は平均深度(しんど)が3,800メートル、深海底(しんかいてい)は4,000〜5,000メートルの深さがあります。海底の岩石をとるまでに5,000メートルもの海の中をもぐらなければなりません。潜水艦(せんすいかん)を使えば深い海を調べることができます。深度が大きくなるにつれて潜水艦も頑丈(がんじょう)なものが必要になります。海上から調べることができれば便利(べんり)です。そのような目的で海洋調査船(かいようちょうさせん)がつくられています。海洋調査船から海底にカゴをおろし海底を引っかいて岩石をとりあげるドレッジという方法があります。しかし、ドレッジでは岩石のとった正確(せいかく)な場所(ばしょ)がわからないという欠点(けってん)があります。
写真 海洋調査船、白鳳丸(はくほうまる)
   

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ボーリング
 地球深部(しんぶ)の資料(しりょう)をとるために、岩石をくりぬくボーリングという方法があります。ボーリングは、地中をまっすぐに掘(ほ)り進んでいきますので、大地の資料を連続的に取ることができます。ただ、直線的に小さな穴を掘りぬくだけなので、周(まわ)りの岩石との関係が見えません。大きな建物(たてもの)などをつくる時は、数カ所でボーリングをして地下の地盤(じばん)のようすを調べます。
写真 世界最深(さいしん)のボーリングコア(コラ半島(はんとう)、12,262メートル)
   

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