新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 3A05[ つくってみる ]
 
つくってみる
Synthetic Inside
 地球深部(しんぶ)の岩石(がんせき)のうち、手にいれることができるのは浅部(せんぶ)のほんの少しです。もっと深部の岩石は手にはいりません。実物(じつぶつ)が無理(むり)なら、つくってしまうという方法があります。推定(すいてい)される深部の物質を化学(かがく)的に合成(ごうせい)します。そして、目的(もくてき)の物理条件(ぶつりじょうけん)にその物質をおいて変化させ、どのような岩石になるかみるのです。このような方法をとれば、地球深部を自由(じゆう)につくることができます。合成する技術(ぎじゅつ)の発達(はったつ)によって地球深部の物質を意(い)のままにつくりだすことが可能(かのう)になってきました。
写真 合成物(ごうせいぶつ)の電子顕微鏡(でんしけんびきょう)写真
   

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さまざまな高温高圧発生装置(こうおんこうあつはっせいそうち)
 高温はヒーターをいれて暖(あたた)めれば発生(はっせい)します。温度が正確(せいかく)ではありませんが、レーザーをあてて高温にすることもできます。圧力(あつりょく)は、ピストンを押(お)しつけることによって圧力をあげる方法、油圧(ゆあつ)を利用(りよう)する方法、立方体(りっぽうたい)(アンビル)を8個つんで中心(ちゅうしん)の角(かど)で圧力を上げる方法、2つのダイヤモンドの先を合わせて圧力を発生する方法、銃(じゅう)の玉(たま)を高速(こうそく)でぶつけて圧力を発生する方法などがあります。どの方法にも長所(ちょうしょ)短所(たんしょ)があり、目的(もくてき)におうじて使いわけられています。
写真ピストン・シリンダー型高温高圧発生装置(こうおんこうあつはっせいそうち)
   

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6×8型高温高圧発生装置(こうおんこうあつはっせいそうち)
写真 6×8型高温高圧発生装置(こうおんこうあつはっせいそうち)
   

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組み立てたアンビル
写真 組み立てたアンビル
   

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地球をつくる
 高温高圧発生装置(こうおんこうあつはっせいそうち)は、高い圧力になるほど合成物(ごうせいぶつ)は小さくなります。小さな試料(しりょう)はあとで研究(けんきゅう)するのに不便(ふべん)です。また、ダイヤモンドを利用(りよう)した装置(そうち)は400GPaの高温を発生できても、レーザーを使って高温を発生するために、その温度が不確(ふたし)かになります。また、衝突(しょうとつ)による装置も数100GPaの高圧の発生ができますが、その圧力や温度は不確かになります。ピストン・シリンダーでは4GPほどの高圧しか発生できませんが、大きな試料がえられ、一週間や一ヶ月のような長期(ちょうき)の連続(れんぞく)高温高圧発生ができます。今や地球の中心(ちゅうしん)までの温度圧力をつくりだすことができます。それぞれの装置は、目的(もくてき)におうじて使い分けられています。
図表 高圧高温装置(こうあつこうおんそうち)が発生(はっせい)できる温度(おんど)、圧力条件(あつりょくじょうけん)
   

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