新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 1A01[ 隕石 ]
 
隕石(いんせき)
Meteorites
 隕石(いんせき)は宇宙から地球に落ちてきた石です。隕石には、さまざまな種類があります。隕石を分けて、その組織をくわしく観察し、分析をおこなうと、その性質(せいしつ)がわかってきます。隕石には太陽系誕生(たんじょう)の歴史が書きこまれています。そして今、その歴史が少しずつ解き明かされつつあります。
写真 コンドライトの偏光顕微鏡(へんこうけんびきょう)写真
   

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プレソーラグレイン

 
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隕石(いんせき)の種類
 隕石は、その成分によっていくつかに分けられます。石の成分(けい酸塩鉱物)と金属(きんぞく)の鉄(鉄―ニッケル合金)からできています。石からできている隕石を石質隕石(せきしついんせき)、金属鉄からできているものを鉄隕石(てついんせき)、石と金属鉄が混じったものを石鉄隕石(せきてついんせき)とよんでいます。石質隕石は、丸い粒(コンドリュール)をふくむコンドライトと、それらをふくまないエイコンドライトの2種類に分けられます。隕石は、さらに鉱物の組み合わせや化学組成、岩石の組織によって、よりくわしく分けられています。
図表 隕石の分類

   

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コンドライト 石からできている隕石(いんせき)を石質隕石(せきしついんせき)で、丸い粒(コンドリュール)をふくむコンドライト。
写真 コンドライト(マーチソン)
   

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エイコンドライト
 石からできている隕石(いんせき)を石質隕石(せきしついんせき)で、丸い粒(コンドリュール)をふくまないエイコンドライト。
写真 エイコンドライト(ジュビナス)
   

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石鉄隕石(せきてついんせき)
 石と金属鉄が混じった石鉄隕石(せきてついんせき)。
写真 石鉄隕石(アフマダ)
   

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鉄隕石(てついんせき)
 金属鉄からできているものを鉄隕石(てついんせき)。
写真 鉄隕石(アリスペ)
   

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隕石(いんせき)の年齢
 隕石(いんせき)をつくるもの、放射性同位体(ほうしゃせいどういたい)という成分を正確にはかると、隕石が今からどれほど前にできたかがわかります。どの隕石も、同時期にできています。さまざまな隕石をつくる作用が、ほとんど同時期におきたことがわかります。その年代は45.5億年前です。45.5億年前に太陽系では大事件がおきたのです。
図表 隕石の年齢
   

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隕石(いんせき)の成分
 石質隕石のコンドライト中に、炭素質(たんそしつ)コンドライトとよばれる種類の隕石があります。炭素質コンドライトは、すべて隕石のうち約2パーセントしか発見されていない、めずらしいタイプです。この炭素質コンドライトは太陽系の起源を知る上で大切なものです。この隕石にふくまれている全ての元素(げんそ)について、濃度(のうど)が調べられています。炭素質コンドライトの化学組成が、太陽のものと非常によく似ていることがわかります。太陽と隕石は同じ成分からできているのです。
図表 隕石の化学組成
   

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隕石(いんせき)は地球の材料
 炭素質(たんそしつ)コンドライトは、他の隕石(いんせき)と同ように45.5億年前にできました。また、太陽とよく似た化学成分からできています。炭素質コンドライトは、太陽の「カケラ」あるいは太陽をつくった材料の「化石(かせき)」といえます。そして、太陽系全体の材料でもあります。地球も炭素質コンドライトのようなものからできたことになります。炭素質コンドライトは、水(H2O)や二酸化炭素(にさんかたんそ)(CO2)、炭素(たんそ)(C)などの気体になりやすい成分を重量で10パーセント以上ふくんでいます。このような成分が、地球の大気や海洋になりました。生命(せいめい)も同じ材料からできます。炭素質コンドライトは、太陽、地球そして私たち自身の材料だったのです。
図表 隕石から地球ができた
   

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