新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 2B01[ 大気 ]
 
大気(たいき)
Atmosphere
 宇宙から地球を見ると、地球のまわりには大へんに薄(うす)いもやのようなベールがかかっていることがわかります。この薄いベールが地球の大気(たいき)なのです。このあまりにも薄くはかない大気に、私たちはつつまれているのです。そして、大気は私たちが呼吸(こきゅう)するためにほどよい酸素と、ほどよい気温(きおん)を保(たも)っているのです。大気は、私たちが生きていくにはなくてはならないものなのです。
写真 成層圏(せいそうけん)の夜明(よあ)け
   

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風と光と
 私たちが住む大地には、ふりそそぐ光とそよぐ風があります。風と光は私たちにはなくてはならないものなのです。風は大気を循環(じゅんかん)させています。大気の循環によって地表の温度のむらが小さくなるように調節(ちょうせつ)されています。光は太陽エネルギーです。太陽エネルギーと地球の自転(じてん)によって大気の循環がおこります。太陽エネルギーには生物には有害(ゆうがい)な成分がたくさんふくまれています。そのような有害な成分を大気がバリアとなってとりのぞいているのです。
写真 風と光
   

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バリア
 太陽からは、生き物にとって有害(ゆうがい)な粒(つぶ)と電磁波(でんじは)がやってきます。隕石(いんせき)や宇宙塵(うちゅうじん)も地球に落ちてきます。このような有害な成分(せいぶん)をとりのぞいてくれているのが、バリアなのです。宇宙塵は大気の中を落ちてくる間、に多くのものが燃えつきてしまいます。そして、隕石や一部の宇宙塵だけが地表にふってきます。太陽からの粒は、地球の磁場(じば)によってはじかれています。大気圏に入ってくるものがオーロラとなります。電磁波のおおくが大気によってはじかれてしまいます。そのうち私たちが光とよんでいるものが地表にまで達します。大気のバリアを通りぬけたおだやかな太陽エネルギーによって、地球上の生物は営(いとな)みをおこなっています。
図表 バリアの層構造(そうこうぞう)
   

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大気の動き
 地球の大気(たいき)は、時間と場所によってすきかってにふいているように見みえます。しかし、広い視点(してん)で風の動きを見ると、季節(きせつ)によって少し変化(へんか)しますが、ほぼいつも同じような風がふいています。ハドレー循環(じゅんかん)の一部となる赤道付近では、東からの貿易風(ぼうえきふう)とよばれる風が、中緯度(ちゅういど)付近には西から偏西風(へんせいふう)がふいています。高緯度(こういど)でも極(きょく)を循環(じゅんかん)する風がふいています。このような大気の運動で、大気をかき混ぜ、均質化(きんしつか)がおこなわれています。このような運動は赤道付近をさまし、極付近をあたためています。大気の動きによって地表の温度がおだやかに保(たも)たれているのです。
図表 大気の動き
   

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大気と生物
 大気は、陸上の生物が生きていくにはなくてはならないものです。宇宙からの有害(ゆうがい)な電磁波(でんじは)をさえぎってくれます。オゾン層は紫外線(しがいせん)をさえぎってくれます。強い紫外線は生物のDNAを破壊(はかい)します。ですから、地表で生きるためにはオゾン層はなくてはならないのです。そのオゾン層は私たちが呼吸(こきゅう)している酸素分子(さんそぶんし)と紫外線が反応(はんのう)してできます。酸素分子は光合成(こうごうせい)をする生物がつくりだしたものです。生物は自分たちが住みよいように大気の成分(せいぶん)を変化(へんか)させてきたのです。その住みやすい環境(かんきょう)が、オゾン層の破壊(はかい)によっておびやかされています。オゾン層破壊はオゾン・ホールとして知られています。
写真 オゾン・ホール
   

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