新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 2B03[ サイクル ]
 
サイクル
Cycles
 地球の表面(ひょうめん)では、いろいろなものが移動(いどう)しています。そのような移動によって、地表(ちひょう)の多くの営(いとな)みがおこなわれています。地球の内部から流れだす熱(ねつ)エネルギーと、太陽からつねに供給(きょうきゅう)される熱エネルギーを原動力(げんどうりょく)として、地表では移動がおこります。それは、物質であったり、元素(げんそ)であったり、エネルギーであったりします。このような移動は、一つの方向(ほうこう)に動くのではなく、循環(じゅんかん)していることがわかってきました。いろいろなサイクルが安定(あんてい)しておこっているため、私たち人類(じんるい)も生きていけるのです。
写真 太陽と大地と海
   

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大気

 
水の循環(じゅんかん)
 水のおおくは、海にたくわえられています。海の水は太陽エネルギーによって暖(あたた)められて移動(いどう)したり蒸発(じょうはつ)します。海水の移動は海流(かいりゅう)を生みます。蒸発は雲(くも)を生みます。雲はやがて雨や雪となり地表にふります。陸地に降った雨は大地を潤(うるお)し、生物に恵(めぐ)みをあたえます。そして、川となり大地を変化させ、大地を削(けず)りとり、海にもどります。大地から運ばれた物質が、海にたまり堆積物(たいせきぶつ)となったり生物の栄養(えいよう)となったりします。めぐる水にともなっていろいろな物質も移動します。
図表 水の循環(じゅんかん)
   

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大気

 
エネルギー循環(じゅんかん)
 太陽から地球に降(ふ)りそそぐエネルギーは、毎分(まいふん)1平方(へいほう)センチメートルあたり1.96カロリーになります。ほとんどは大気や雲に反射(はんしゃ)されたり吸収(きゅうしゅう)されます。そして地表までとどく太陽の放射(ほうしゃ)エネルギーは、0.4カロリーほどになります。その量も緯度(いど)が高くなると0.1カロリー以下まで減(へ)っていきます。太陽エネルギーはすべての物質循環を引きおこします。太陽エネルギーが多くなると海水の蒸発量(じょうはつりょう)が増(ふ)え、雲が発生(はっせい)し、その雲によって太陽エネルギーが反射されます。減るとぎゃくの作用(さよう)がおきます。絶妙(ぜつみょう)のバランスがとられています。雲の移動(いどう)によって太陽放射エネルギーは、高緯度(こういど)の地域へはこばれます。
図表 太陽エネルギーの循環(じゅんかん)
   

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大気

 
物質循環(ぶしつじゅんかん)
 地表ではいろいろなものが循環(じゅんかん)しています。元素(げんそ)も循環しています。しかしまだ、一部の元素(げんそ)の循環しかわかっていません。イオウ、炭素(たんそ)、窒素(ちっそ)、リンなど生命活動に大切な元素の循環がわかってきました。生物どうしも循環をおこなっています。植物は草食(そうしょく)動物に食べられます。草食動物は肉食(にくしょく)動物に食べられます。すべての生物が死ぬと、分解者(ぶんかいしゃ)とよばれる微生物(びせいぶつ)が死体をかんたんな化合物(かごうぶつ)まで分解(ぶんかい)します。分解された化合物は、植物の栄養(えいよう)になります。生態系(せいたいけい)とよばれるサイクルです。このような循環がどこかでとぎれると生物全体が絶滅(ぜつめつ)するかもしれません。
図表 生態系(せいたいけい)
   

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