新しい地球像をもとめて[地球のからくり]
 2B02[ ]
 

Ocean
 海は地球の表面の7割をおおっています。生物の多くは、今でも海で生活しています。海は、生物にとって大切な役割(やくわり)を果たしています。陸で生きる生物にも大切です。海から蒸発(じょうはつ)した水は、雲となり、やがて雨として大地に潤(うるお)いをあたえます。そしてまた川の水として海に帰ってきます。生命の祖先(そせん)は、海で生まれ、海で進化(しんか)し、陸地へと進出(しんしゅつ)したのです。
写真 海
   

.関連項目:

大気
サイクル

 
海と陸
 海と陸を比べると、水がたまりやすい地表の低いところが海になります。高いところが陸です。海は、深度(しんど)4,000〜5,000メートルが全海洋の33パーセントの面積をしめ、5,000〜6,000メートルが23.3パーセント、3,000〜4,000メートルが19.6パーセントとなります。平均(へいきん)深度が3,795メートルとなります。一番深いところがマリアナ海溝(かいこう)の10,924メートルです。陸地の平均標高(ひょうこう)は840メートルで、最高標高はチョモランマ(エベレスト)の8,848メートルです。陸地と海底の高度の差(さ)は約20,000メートルになります。20,000メートルが私たちが地表とよんでいる範囲(はんい)となります。そして私たち生物の活動(かつどう)の場(ば)なのです。生活の場は、地球の半径(はんけい)6,400キロメートルの0.3パーセントにしかなりません。私たち生物は地球のほんのうわっつらで生活しているにすぎないのです。
写真 海と陸
   

.関連項目:

大気
サイクル

 
プランクトン
 プランクトンとは、海の中を漂(ただよ)っている小さな生物のことです。小さな生物もたくさん集まると地球の外から見えます。植物性(しょくぶつせい)プランクトンは、光合成(こうごうせい)によって酸素(さんそ)をつくりだします。酸素は、私たちが呼吸(こきゅう)するためになくてはならないものです。海は生物にとって、快適(かいてき)な環境(かんきょう)です。水ににた重さであれば、水中を漂(ただよ)うことができます。エサは海水といっしょに体の中にとりこめます。いらないものは体の外に出せばよいのです。温度も急激(きゅうげき)に変化しません。宇宙からの有害(ゆうがい)な粒子(りゅうし)も電磁波(でんじは)もきません。このような快適な海に生命は誕生(たんじょう)しました。生物には「生存競争(せいぞんきょうそう)」という仕組(しく)みがくみこまれていました。その仕組みが、生物に進化(しんか)をもたらし、そして陸への進出(しんしゅつ)、文明(ぶんめい)の発祥(はっしょう)にまで導(みちび)いたのです。
写真 リモートセンシングによるプランクトンの分布
   

.関連項目:

大気
サイクル

 
海流(かいりゅう)
 海の中の水は循環(じゅんかん)しています。海流(かいりゅう)は陸地の地形(ちけい)や海の深度(しんど)などによって決まっていきます。季節変化や年変化はありますが、ほぼ一定方向に恒常(こうじょう)的に流れます。海流は地球表面の温度を一定させる役割(やくわり)をもっています。海の深いところでは、表層の海流とは別の流れをもっています。水深(すいしん)500〜1,000メートルで水温が急激(きゅうげき)に変わる層があります。この層より深いところの流れは、世界中の海を回ります。南極(なんきょく)やグリーンランド沖(おき)の冷たい海水が深海に流れこんで、大陸の縁(ふち)にそって世界中に広がっていきます。
写真 海流
   

.関連項目:

大気
サイクル

 
海の底
 海底にも、山脈(さんみゃく)(中央海嶺(かいれい))や溝(海溝(かいこう))、火山(海山(かいざん))、台地(海台(かいだい))など変化に富(と)んだ地形(ちけい)があります。そのような地形の上には、生物の活動の結果である生物の遺骸(いがい)が積(つ)もっています。海底の中央海嶺や海山、海台は、火山活動でできたものです。海嶺には、まっすぐにのびる海底の割れめにそった火山があります。海嶺では常に新しい海底の岩石が火山活動によってつくられています。新しくできた海底に押されて海底が大陸にぶつかって沈(しず)みこみます。沈みこみによってできるまっすぐな溝が海溝です。海底もつねに活動しているのです。
写真 リモートセンシングによる海底地形(かいていちけい)

   

.関連項目:

大気
サイクル

はじめにもどる もくじ 前の項目にもどる 前のページにもどる

EPACS Museum of Natural History
EPACS 自然史博物館