学芸トピックス―松本涼子―
トップページ
学芸トピックス
学芸トピックス―松本涼子―
学芸員の松本が日本初記録の絶滅水生爬虫類について記者会見しました

学芸員の松本が日本初記録の絶滅水生爬虫類について記者会見しました

2014年4月25日更新

石川県白山市桑島に分布する前期白亜紀の地層である手取層群桑島層(約1億3000万年前)から爬虫類の頭部の化石が発見されました。松本学芸員ら研究の結果、細長い吻部をもつワニのような姿をした淡水生の絶滅爬虫類であるネオコリストデラ類(Neochoristodera)であることが明らかになりました。ネオコリストデラ類の報告は本邦初であり、英国の科学雑誌、ヒストリカルバイオロジー(Historical Biology)に論文が掲載されました。

ネオコリストデラ類(Neochoristodera)とは、コリストデラ類(Choristodera)の中の1グループで、爬虫類の系統の基部に位置します。彼らは、恐竜など多くの中生代爬虫類が姿を消した約6600万年前の大量絶滅をくぐり抜けましたが、約1500万年前の新生代中新世の中頃に絶滅しました。世界的にも標本の数は少なく、謎の多い爬虫類です。前期白亜紀のアジアは彼らの初期進化を探る上で注目されている時代と場所であることから、本研究成果はコリストデラ類の研究においても重要なデータを追加することになりました。

本研究成果について石川県白山市教育委員会より記者会見を行ないました。会見には、論文の筆頭著者である松本学芸員と第二著者である真鍋グループ長(国立科学博物館)が出席し、研究発表及び質疑応答を行ないました。

 

ネオコリストデラ類の標本

ネオコリストデラ類の標本の1つ
(下顎SBEI 2384)
大倉正敏氏撮影

水中のようす

ネオコリストデラ類の復元画
菊谷詩子氏製作

学芸員の松本

記者発表の様子